おととい都内で開かれた日中ハイレベル経済対話の冒頭、中国・王毅外相は「世界経済の構図が深刻な変化に直面している」と話した。その背景にはアメリカ・トランプ大統領が進める関税政策があり、日本に対して経済や貿易での協力を要請した。今月4日には、中国への追加関税を10%引き上げた。上智大学・前嶋和弘教授は「関税をめぐるアメリカの対中強硬路線は、今後さらに強まる」と指摘。米中の経済対立が加速するなか、前嶋教授が注目するのは、トランプ大統領が駐中国大使に指名したデービッド・パデュー氏の存在。上智大学・前嶋和弘教授は「パデュー氏はビジネスマンで、リーボックのCEOだったりした。ビジネス的な感覚で中国に対して厳しいことを言えるだろうと、中国の現状変更の動きに対してノーと言える人物だということで、北京にいながらトランプ政権の声を代弁できる人物として、この人が選ばれている」と話した。40年にわたって国際的なビジネスに携わり、アジアや中国で仕事の経験が豊富だというパデュー氏が中国大使になれば、経済・安全保障の両方で、中国にとっては厳しいものになる。そのうえでトランプ政権が目指すのは、中国とのディール。前嶋教授は「やはり取引なので、最終的には習近平国家主席と話し合うことで、いろいろ物事を動かしていくのかもしれない」と指摘。