建物の天敵シロアリ。春の訪れとともに活動を活発化させる。知らず知らずのうちに広がる被害の実態を取材した。茨城県の築45年の木造住宅。先月、模様替えのためベッドを動かしたところ畳が黒くなっているのに気が付いた。戸建住宅では湿気の多い場所や日当たりが悪い場所を好み、特に風呂場や和室で被害が多い。この家を調査したところ家屋全体への影響は少なく和室に被害が集中していた。シロアリがさらに侵入するのを防ぐために柱などに穴を開けて薬剤を注入。床下にも薬剤をまいて作業時間は4時間ほどで終了した。普段の生活では分かりづらいシロアリ被害に気付くポイントは「床のぐらつき」、「扉が閉まりにくくなった」など。特別に訓練されたシロアリ探知犬のサラとアリスはシロアリのにおいを検知すると頭を縦に振って知らせてくれる。この能力を生かして調査が行われたのが、神田明神。犬は人が入ることのできない床下や壁の中にいるシロアリをにおいで探知できるため特に取り扱いに慎重さが求められる文化財などの調査に適している。