八丁集落に移住してきた44歳のミツさんに話を聞いた。ミツさんは千葉市で生まれ育ち、幼い頃から絵を描くのが好きだった。一方高校に入ると決められたことをしなければならない学校に馴染めず、2年生の夏に辞めた。曲を書いており、音楽活動に専念するため東京へ。ライブハウスで活動し18歳の時に音楽事務所と契約した。メジャーデビューの話も出たが、売れるための捨て曲を作らなければいけなかった。ミツさんは「全部大事な曲です」と反発し、そうこうしているうちに話は立ち消えになり21歳で音楽事務所を辞めた。音楽を続けるためには生活費を稼ぐ必要があった。平日はアルバイト、日曜はライブで休みのない生活が続いた。人間関係での悩みもあり自分を責めるように。そんな時息抜きも兼ねて地元に帰った友人を訪ねた。その場所が今暮らす八丁集落だった。空き家を見つけ、移住を決意した。