南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)の発表からきょうで1か月。全国で最も高い最大34メートルの津波が想定されている高知・黒潮町は、臨時情報の発表を受けて、229人いる要支援者に地震が起きる前の事前避難を呼びかけた。国のガイドラインでは今回発表された南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)に伴う事前避難は求めていないが、町はより高い防災対応を取ることを決めていた。そして高齢者など7人が避難所に避難したが、入浴などができず、自宅との環境の違いに疲れ、避難をやめる人が相次いだという。このため町は、避難所で対応した職員からヒアリングを行うなどして、1週間程度の事前避難が可能な避難所の環境整備に向けて検証を進めることにしている。さらに今回の経験を検証して、防災力向上につなげようという動きが住民にも広がっている。住民と防災活動に取り組んでいる九州大学・杉山高志准教授は、今回の臨時情報よりも高い防災対応が求められる、巨大地震警戒の情報の発表を念頭に置いて、事前避難についてイメージすることが大切だと訴えた。その上で、夜間だけ避難所で過ごす、遠くに住む親類の自宅に避難するなど、それぞれの事情に応じた避難行動を取ってほしいと呼びかけている。