厚生労働省がまとめた飲酒ガイドライン。飲酒量の判断に役立ててもらおうと専門家会議での議論など経てきょう公表された。その背景にあるのが飲酒による健康問題。アルコールの消費量は国内で減少している一方、アルコール性の肝疾患で亡くなった人は20年近くに比べ倍近くに増えているという。どれだけの飲酒量で健康リスクが高まるのか、飲酒量はアルコール度数や何杯飲んだかで把握するのが一般的だが、今回示されたのは酒に含まれるアルコール量“純アルコール量”。純アルコール量は酒量と度数と比重をかけ合わせて計算できる。ガイドラインでは生活習慣病リスクを高める1日あたりの飲酒量を男性は40g以上、女性は20g以上と定義。純アルコール量20gの飲酒量はビールは500ml、酎ハイは350ml、ワインは小グラス2杯200mlなどとなっている。ガイドラインでは病気毎に発症リスクのあがる飲酒量もまとめた。大腸がんは純アルコール量1日20g以上、高血圧はすこしでも摂取すると発症リスクは上昇するなどとしている。体質によってはより少ない飲酒量にすることが望ましいという。大手ビール各社はこの純アルコール量を缶ビールや缶酎ハイなどの容器にグラム単位で表示。厚生労働省は今回のガイドラインを通じて指標として純アルコール量の活用を浸透させたい考え。