- 出演者
- 桑子真帆
与党が過半数を割り込む中、政権運営を強いられることになった石破内閣。今後、野党の協力なしに予算案・法律は成立できなくなった。与野党の政策協議は進むのか?年収の壁の見直しが注目されている。与野党のキーパーソンに密着し、与野党の攻防の舞台裏を追った。
オープニング映像。
きょう召集された特別国会。経済産業大臣などを歴任した齋藤健衆議院議員はこれからの国会について、丁寧に野党との関係を築いていかなければならないと話した。立憲民主党の笠浩史国対委員長は野党が多数を握る中での国会運営について、結果をひとつひとつ出していく国会にしたい、そのためのリーダーシップを発揮していきたいと話した。少数与党の現実が突きつけられたのは国会召集の4日前。自民党と立憲民主党との間で異例の合意がなされた。これまで自民党が守ってきた重要ポストの予算委員長を野党に明け渡すことになった。この決定の直後、立憲民主党の控え室では委員長ポストを検討していた。予算委員長のポストを得ると予算案の採決など委員会運営の主導権を握ることができる。笠さんはこれまで与党に数で押し切られることもあったとして、野党の主張を実現する国会にしていきたいと考えている。一方、自民党では両院議員懇談会が開かれ、野党との向き合い方について指摘があったという。大臣として国政を扱ってきた齋藤さんは与党の務めをどう果たしていくのか悩んでいた。こうした中、自民党と政策協議をはじめているのが国民民主党。国民民主党の榛葉賀津也幹事長は衆議院選挙で議席を伸ばしてからは地元で飼っている動物の世話もなかなかできなくなったという。初当選した議員を対象にした研修会で呼びかけたのは気を引き締めて国会に臨むことだった。議席を減らした日本維新の会と公明党は党の体制の見直しを迫られる事態となっている。
少数与党となった現実の政治状況について、牧原出さんは自民党一強時代が追わったという転換にいると思う、参議院は自公が多数なので少数与党といっても衆議院であるとした。自民党会派は196人、公明党と合わせても過半数の233には届かない少数与党の状況。きょうの総理大臣指名選挙では過半数に届いていないにもかかわらず、石破総理大臣が選出された。これは野党側による一本化が実現しなかったからだという。日本維新の会と国民民主党は決選投票でもそれぞれの党首に投票し、それが無投票となったことで少数与党の自公が石破総理を選出して野田代表を上回った。少数与党となったのは1994年の羽田政権以来30年ぶり。
きのう、地元を訪れた国民民主党の榛葉幹事長。有権者からは国民民主党が掲げる103万円の壁見直しへの期待の声が聞かれた。年収が103万円を超えると所得税が発生する現在の税制を国民民主党は178万円にまで引き上げて、課税される対象額を少なくすることで手取り額を増やすとしている。経営者からは年末にむけて働き控えをする従業員がいて困るとの声もある。この日、与党との政策協議を前に榛葉さんは詰めの協議を行っていた。一方、自民党内でもい検討が始まっている。齋藤議員は国民民主党の案について問題になると考えているのが国と地方あわせて7~8兆円の税収減。税収減については地方からも懸念の声があがっている。地元の有権者からはそれでも年収の壁を見直してほしいという。国民民主党は財源についても今後議論していきたいとしている。自民党と国民民主党の協議に注目があつまる中、立憲民主党の笠国対委員長は党としてのい存在感をより示したいとしていた。
103万円の壁の見直しをめぐって財源をどう考えるのか?政府は178万円に引き上げた場合、国・地方の税収は7~8兆円減ると試算している。村上総務相は地方税の個人住民税だけで4兆円程度の減収と見込まれるとしている。熊野英生さんは財源について、壁対策には毎年毎年かかるものであるから不安、野党は必ずしも財源の手当てができているとは思わないので大穴があると思う、178万円ではなくてもいいのではないかと話した。パートなどで働く人が106万円や130万円を超えると社会保険料の負担が増えて手取りが減るなどそのほかの壁もある。106万円の壁について厚生労働省は賃金要件など撤廃するか検討進めている。今後は新たな経済対策の決定、国民民主党が求めている電気代の引き下げなどが盛り込まれるのかなどが検討される。年末にかけては税制改正議論が行われ、103万円の壁が焦点となる。きょう、玉木代表は報じられた不倫報道を陳謝し、政策実現のために代表を続けたいとし了承された。玉木代表は103万円の壁を実現できないのであれば、法案にも予算案にも協力できないとしている。「政治とカネ」の問題について、野党側は早期に政治資金規制法の再改正をするべきと主張している、自民党はけじめをつけるように公明党から求められている状況。熊野英生さんは与党が弱いと野党の要求をどんどんのんで、予算がてんこ盛りになり大穴になる可能性がある、野党は財源を含んだ説明責任を求められるので議論の質が向上することを願うと話した。牧原出さんは与党は寛容と忍耐、野党は責任と知恵が必要だと話した。