高齢者に対する虐待について。昨年度は1万8000件を超え過去最多となった。このうち、家族や親族からが9割以上を占めている。家庭で介護をする中で追い詰められる人をどう支援していくのか今、問われている。愛知県春日井市でNPOが運営する喫茶店。訪れていたのは家族を介護する人たち。介護が必要な高齢者が700万人を超える中、高齢者への虐待も増えている。昨年度は統計を取り始めてから最も多くなった。このうち家族や親族からが93.8%を占めている。内訳を詳しく見ると息子からが最も多く、発生要因は虐待を受けた人の認知症の症状が56.4%、次いで介護疲れや介護ストレスだった。厚生労働省によると、虐待の程度が深刻になるほど介護保険サービスを利用していない傾向がある。春日井市のNPOでは介護する側が孤立し虐待へと追い詰められないよう支援を続けている。専門知識があるスタッフが悩みを聞きアドバイスし、必要に応じて行政とも連携。ただ運営は厳しく市から月5万円の補助を受けているが毎年度赤字で寄付やNPOの別の事業の収益などを充てている。介護をする人の居場所はまだ全国的に少ないということで専門家は地域に広げていくことが必要だと指摘する。