サラダや炒め物などさまざまな料理に欠かせないキャベツ。今週2つの数字が発表された。1つは、国内産の小売価格が平年の2.5倍の高値を記録。スーパーなどでは1キロ当たり平均401円となった。そしてもう1つ、1月のキャベツの輸入量が去年の同じ月に比べて42.5倍と記録的な増加になった。さまざまな現場で影響が出ている。東京都台東区のオフィス街。キャベツをたくさん使う飲食店も価格高騰に悩んでいる。ロールキャベツの専門店では1日におよそ100人前、30個分の国産キャベツを使うが最近、仕入れ価格が2倍以上になりサイズも小さくなったという。国内の生産量が落ち込む中、急増しているのが輸入キャベツ。今週、財務省が発表した品目別の貿易統計によると今年1月の輸入量は1万7483トンで去年の同じ時期と比べて42.5倍に。輸入元の9割以上は中国。輸入キャベツはカット野菜などで使われている。東京都足立区の工場では1日のおよそ15トンのキャベツを仕入れ外食や弁当向けとして加工、販売。しかし夏の猛暑やこの冬、雨が少なかった影響で去年12月以降、国産キャベツの調達量は例年の半分程度になった。この工場で使う中国産のキャベツは国内の農薬検査を通過したものを国産と同じように表面を殺菌するなど安全対策を行っているという。輸入野菜を専門に扱う商社によると輸入キャベツはカット野菜などの食品加工業者のほか、飲食店や施設などの給食事業者から受注が相次いでいるという。