公的年金の財政検証の結果。最初のポイントは将来の給付の水準。給付水準については現役世代の平均収入の50%を下回らないようにすることが法律で約束されている。今年度のケースで見ると、今年度現役世代の男性の平均手取り収入は37万円。会社員の夫と専業主婦世帯のいわゆるモデル年金は月額22万6000円。現役世代の収入を100としたときの割合は61.2%で、50%以上を維持しているということになる。この給付水準が将来どうなるのか今回、経済成長率ごとに試算された。長期の実質経済成長率が1.1%のケースを見てみると、2037年度の年金額が24万円と現役世代の収入に対する割合は57.6%になった。今年度の水準と比べると、4ポイント弱の低下にとどまることになる。次に成長率がマイナス0.1%と過去30年間と同じ程度の経済状況が続くケースでも50.4%と、今より10ポイント程度低下はするが、50%以上を維持できるとしている。一方、経済が悪化して成長率がマイナス0.7%に落ち込むケースを見てみると、2059年度に国民年金の積立金がなくなって50.1%に。その後30%台に落ち込むとしている。今回の検証は人口の仮定について、2070年時点の合計特殊出生率を1.36として試算していて、去年の合計特殊出生率1.20だったので今より上がることが前提となっている。