テーマ「病院建設の危機」。東京・武蔵野市の吉祥寺。賑わいのある商店街や緑豊かな公園などが人気で、住みたい街として知られている。125の病床を持ち地域の医療を長年支えてきた吉祥寺南病院が去年10月から診療を休止し、事業の承継先を探している。病院内には資料や医療機器がそのままになっている。診療を休止した理由、それは1970年に建てられた建物の老朽化。隣の駐車場に建て替えを検討していたが建設費の高騰を理由に断念した。この事態に、武蔵野市の小美濃安弘市長も医療体制が危機的状況にあるとし警戒感を示している。その理由は吉祥寺南病院が二次救急医療機関に指定されているため。二次救急医療機関とは入院や手術の必要な患者を受け入れる医療機関で、吉祥寺南病院の診療休止によって吉祥寺駅周辺からなくなってしまった。このしわ寄せは、市内で三次救急を担う武蔵野赤十字病院に及んでいる。武蔵野赤十字病院では救急車の受け入れ件数がおよそ1.3倍に。それでも全ての依頼を受け入れることはできていない。吉祥寺南病院の事業を引き継ぐ法人が決まった。それでも病院の建て替えには数年がかかる見込みで市は警戒を崩していない。
住所: 東京都武蔵野市吉祥寺南町3-14-4