- 出演者
- 川島明(麒麟) 藤井由依 北乃きい 高橋克典 菊地亜美 ウエンツ瑛士
世界で約6億人、日本人の約8人に1人が疑われる“糖尿病”。症状がなく気付きにくく、重い合併症につながる可能性もある病。糖尿病の診断で重要な血糖値が、手軽に測定できる時代。糖尿病の症状がない場合、血糖値の測定は病院での血液検査が基本だったが、FreeStyleリブレと呼ばれる医療機器は、腕などに装着する事で1分毎の血糖値を自動的に測定して記録。スマホのアプリや専用リーダーとリンクさせれば、いつでも自身の血糖値を確認する事が可能に。どこで血糖値が上がったのか一目でわかる。原則、病院で装着できインスリン治療を行う患者の場合は保険適用。今回、持病もない40代~60代の男女4人がFreeStyleリブレを装着し、3日間の血糖値を測定した。4人の結果を診断してくれるのは、「やのメディカルクリニック勝どき」院長の矢野宏行さん。約5000人の患者を治療した、糖尿病のスペシャリスト。2022年に発表されたアメリカのテュレーン大学を中心に行われた臨床試験では、糖尿病の治療薬を使用していない40~70歳の男女150人を対象に調査。炭水化物を制限した食事を摂るグループと、普通の食事を摂るグループに分け食事指導を行いながら6か月間調べた結果。炭水化物を制限した食事を摂ったグループのほうが血糖値が低下したというデータが。こうした結果から、揚げ物などのカロリーを控えるカロリー制限よりも、ご飯やパンなどに含まれる糖質を制限し、血糖値の急上昇を抑える糖質制限に注目。
気になる血糖値の結果を発表。50代の主婦・堀川さんは、午後2時に友人と昼食にて天丼と蕎麦を食べたと言う。その時の血糖値は200を超えていた。 血糖値の正常範囲は空腹時で70~109。食後の場合は140未満とされている。200を超える血糖値の上昇は蕎麦にもあるという、問題はカロリーが低いからと言って糖質の量が少ないとは限らないこと。蕎麦は、つなぎに使用する小麦粉に100gあたり約70~75g程度の糖質が含まれ、摂りすぎると蓄積される。
続いては、55歳男性の高崎さん。ベジファーストで生野菜を最初に食べ他も味噌汁や納豆など問題なさそうだが、食事内容には問題はないものの血糖値を上げた犯人は“ブラックコーヒー”。コーヒーには血糖値を下げる効果があることなども報告されているが、糖質がないからといって飲み過ぎると血糖値を下げるインスリンが糖を細胞に吸収できず、一時的に血糖値を上げる恐れがある。カフェインは1日400mg以下が適量。さらに、カフェインはアドレナリンを分泌するが、これも血糖値を上げやすいという。運動中や運動後はアドレナリンが出て、既に血糖値が上がっている状態になっていることもある。そこに糖質が多く含まれているスポーツドリンクを飲み過ぎると、さらに血糖値を上げてしまうことになる。スポーツ後は麦茶や水が良いとのこと。
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3人目は68歳の福本さん、食生活は量もほどほどで健康的。血糖値の極端な上昇などもなく、食後も下がっている。問題にないように思えるが、正常な状態なら血糖値は食事を摂る事で上がった後緩やかに下る、しかし福本さんは急激に血糖値が下がり“血糖値スパイク”状態に。食事を摂ることで急上昇と急降下の繰り返しは要注意。
最後は48歳の森岡さん。血糖値が300近くまで上がっている日があった。この日は、ラーメン・ライス・餃子など食べており、食べた時間は午後11時半ごろ。さらに直ぐに寝てしまったという。食後2時間開けずに寝るのが体に悪いことは今や常識だが、睡眠中のインスリンの働きが重要。過剰なインスリンを必要とされる状態が続くと、インスリン抵抗性を持ってしまう。糖尿病予防は、血糖値の急激な上昇を抑えることが大事。
急激に血糖値を上げない、医師オススメの食べ方はカーボラスト。おかずを先に食べ、最後に炭水化物を食べるように順番を気をつけると良いとのこと。炭水化物はたんぱく質や脂肪と比べ血糖に変わるスピードが遥かに早いことがわかっている、まずサラダなどの食物繊維を食べて糖の吸収を遅らせ、消化に時間のかかる肉や魚などのタンパク質でさらに糖の吸収を抑えた後、最後にご飯やパンなどの炭水化物を食べることで血糖値の急上昇を予防できる。これまで食事の最初に野菜を食べる「ベジファースト」が知られてきたが、2017年頃から最後に炭水化物を食べる「カーボラスト」が注目されている。
オープニング映像。
スタジオでは、血糖値の新常識を聞いて衝撃を受けたとコメントが上がっていた。また今回は、健康に気を使っている20代~60代の様々な職業の6組がリモートで参加。看護師とアトピー改善コーチの夫婦である松本さんは、VTRで見たFreeStyleリブレを現場で使いたかったと話した。また、ホテル勤務の沖本さんは、夜勤の休憩が2時間ある内の最初に食事を摂り、すぐ仮眠に入らないといけないと話し、食後に時間を開けることが難しいとのこと。これに対し、医師は「しょうがない」とした上で、血糖値が上がらない生活を徹底しても仕事に影響が出れば逆にマイナスになる。情報をヒントにした上で、自分の体を自分でチェックしていくのが大事だと話した。
去年の日本の医療費は4年連続最高額を更新し48兆円、今年はさらにそれを更新して50兆円を超える見通しとのこと。さらに、2024年に倒産・休廃業した医療機関は786と過去最高の数字。リモートで参加する影山さんは吉祥寺在住で、最近吉祥寺南病院という救急病院が閉院してしまったと話した。さらに、その前にも救急を担当していた病院が無くなってしまい、突然病院がゼロになってしまったとのこと。
茨城県つくば市で、1日1500人以上が来院する「筑波大学附属病院」。昨年度は、過去最大の赤字で28億円とのこと。新しい設備に投資できないと話す院長の平松医師。スタッフが使うバックヤードでは、損傷した壁も直せないまま。さらに待合室のソファも老朽化。そして、最も懸念されているのが、エックス線検査室の撮影装置のうち寝た状態で撮影する方の装置は液晶モニターが故障中。撮影自体には問題がないが、設定などで室外に出る必要があり患者から離れることによる安全性の懸念があるとのこと。
さらに、東京文京区にある東京大学医学部附属病院でも危機的状況だった。ある病棟では、電気がついておらず患者は1人もいない状態だった。
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- 文京区(東京)東京大学医学部附属病院
東京大学医学部附属病院の危機的状況とは。ある病棟では、約40の病床を完全に閉鎖していた。原因は、看護師の数が十分に確保できないとのこと。病院の主な収入源は、診療報酬。これが一定なのに対し、近年の物価高により医療機器や人件費の高騰が大学病院の経営を逼迫させている。昨年度、全国にある42の国立大学病院の累計赤字は過去最大285億円。一般病院も含めると6割位上の病院が経営赤字という危機的な状況。
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- 東京大学医学部附属病院
病院数も減少の一途をたどる中、問題となるのが「医療の空白」。医療政策の専門家である吉村氏によると、医療の空白とは医療スタッフの確保などから病院が撤退し、十分な医療を受けられないエリアが生まれること。吉村氏はそんな医療の空白を埋めるため、医療データを分析し課題解決に挑んでいる。実際、4年後に大学病院の移転によって医療の空白が迫っている近郊都市がある。それは千葉県市原市、市内にある帝京大学ちば総合医療センターの移転によって、医療の空白が起こる可能性があり。その対策のため、市の担当者と打ち合わせを重ねてきた。この日、収集したデータをもとに打ち合わせ。市内で唯一救命救急や高度医療を行う大学病院が、4年後約15km先に移転すると今あるエリアに住む10万人以上に影響が出るのではないかと懸念されている。この医療の空白はどうすれば埋められるのか。吉村氏は、高度な医療を必要としている患者の多くは移転先にも通院が可能なため、影響は最小限に食い止められると推測している。高度医療以外の患者への影響については、少子高齢化の影響で市原市の人口は減少傾向にあり、地域の入院患者も2035年以降減少すると予測できるため、移転後も周辺病院と連携することで医療の空白は防げると判断し現在調整を進めているとのこと。
周辺病院の1つである千葉ろうさい病院の見解は、ある程度患者が流れてくると思うが、患者数が増えたからと言って簡単に医療スタッフを増やせない状況があり、今の人員でカバーせざるをえないとのこと。さらに追い打ちをかける、薬不足。千葉ろうさい病院でも、なかなか提供できないという通知がよく来ていると話し、痛み止めの麻酔薬や抗生物質などが不足しているとのこと。これが続くと深刻な問題になっていくといい、医療現場は課題が山積みだと話した。
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- 千葉ろうさい病院
薬が足りないという状況に、VTRを見た吉川さんは自身も声が枯れた時に薬がなかったという状況に陥ったことがあると言い、その時に現状を痛感したと話した。薬剤師の三上氏によると、発端はジェネリック医薬品の品質問題にあったと言い、品質が悪かったこともあって1度市場から全て回収するなどの事態が起きていた。コロナの時期と重なったこともあり、咳止めなどのニーズが高まって欠品が相次いだとのこと。また尾崎医師は、病院と薬局で同じ成分の薬を扱っていることも多く、OTC医薬品を使うことで医療機関の負担を減らしていくことも必要とのこと。
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- OTC医薬品
スギ薬局新橋駅前店にて「OTC医薬品」を知っているか聞いたところ、ほとんどの人が「知らない」と回答した。さらに「かかりつけ薬局」が大事だとして、かかりつけ薬局を四世代で利用しているという千田さん一家に話しを聞いた。「ひげだるま先生」と呼ばれる先生がいるのは、大正7年開局の「田中薬局」。「ひげだるま先生」と呼ばれるのは、四代目の田中大嗣さん。薬局を利用する時は必ずマイナンバーカードを持参、過去の服薬情報や受診歴だけでなく健康診断の情報も確認できるため薬剤師としてはかなり参考になるという。田中薬局にはどんなお客が来るのか、一日の様子を見せてもらうことになった。
田中薬局にはどんなお客が来るのか、1日の様子を見せてもらうことに。開店と同時に処方箋を持ったお客が続々と来店。健康状態や生活習慣も確認しながら丁寧に説明していた。かかりつけ薬局を持つ最大のメリットは、どんな薬を飲んでいるか一元的に管理できるため処方箋薬と市販薬の相互作用をチェック出来る。昼すぎにやって来たのは近くの病院スタッフ、OTCの胃腸薬を購入して行った。医療用医薬品と同等の成分をもつOTC医薬品が増えており、医療従事者の利用も増えてきたという。午後1時、家の害虫に悩まされ以前も相談に来たことがある男性。害虫駆除剤は人体に悪影響を与えるリスクが高いものは医薬品だという。進めた燻蒸剤について、田中先生はパッケージを開け丁寧に実演しながら説明していた。午後2時、来客が落ち着いた頃。田中先生が定期的に電話をする相手がいる。2016年に開始したかかりつけ薬剤師制度、信頼できる1人の薬剤師に専属になってもらうことで、服薬情報の管理など24時間対応してくれる制度。続いて田中さんが向かった先は、同じ中区にあるクリニック。クリニックに紹介した気がかりな患者の健康状態や処方薬を確認していた。午後7時、薬局は閉店。すると、田中先生は在宅訪問に向かうという。田中薬局では約20軒の在宅訪問を薬剤師が分担し月2回のペースで行っている。訪ねたのは一人暮らしをしている89歳の女性、以前は薬局に来ていたが大病を患い1年ほど前から在宅に切り替えた。田中先生が、次回訪問日までの薬をセットしていた。
利用者の中には、自力で生活できなくなってしまうケースもあるという。そんな時は、ケアマネージャーに相談し、地域包括支援センターと連携をとって支援相談員に家に行ってもらうことなども田中先生は行っていると話した。田中先生の薬剤師として大切にしていることは、お客さんに希望と安心を与えられるのが薬剤師、単純に薬を渡すだけでなく最終的には健康を渡せるようにと考えていると話した。
スタジオでは介護士をしている前田さんがVTRを見て、自身の祖父母について今は週に1回薬の確認に自身が出向いているが、かかりつけ薬剤師を勧めたいと話していた。
社員の体のケアに力を入れ病気の予防に取り組むのは、神奈川県にある従業員数約80人の企業。商業施設のキッズスペースなど子どものための空間を中心に設計を行う会社。朝8時、就業時間より早めに出社してくる社員たち。向かったのは社内のレストランスペース。この会社では朝から社員食堂を解放し、社員に無料で朝ごはんを提供している。専門の調理師が栄養バランスを考えた日替わりメニューを提供しており、社長は「朝食を出すから夜早く帰るように」という意図で行っていると話し、実際に残業時間が減ったという。特に一人暮らしの人は食生活が改善され、病気で休む人も減ったという。さらに、精神的なケアの取り組みも行っており、子育ての不安を抱える社員のために資格を持った保育士が常駐する保育園を社内に作った。
