JR東海が建設を進める「リニア中央新幹線」をめぐり、静岡県は「トンネル工事によって川の水量が減ることや、南アルプスの生態系への悪影響が懸念される」などとして着工を認めていない。こうした中、JR東海はきのうこれまで「2027年」としていた品川-名古屋間の開業時期を「2027年以降」と変更し、国土交通省に申請した。静岡県内の着工の遅れを受け、「2027年開業は難しい」としてきた見解を国に提出した計画にも正式に反映させたかたちで、新たな開業時期を巡ってはJR東海と静岡県の協議の行方が焦点となる。街の人は「できれは開通してほしい」「多額のお金を使って作るんですから、ちゃんと予定通り作って欲しい」などと話す。一方、今回国に申請した工事計画では、甲府市大津町に建設予定のリニア新駅について、鉄筋コンクリートの4階建てで総面積は約1万3,000平方メートルと示された。改札は2階、ホームは4階に設置し、バリアフリーにも配慮したいとしており、JR東海は「静岡工区の状況を踏まえて合理的な工期を検討したい」としている。