当事者キャスティングという新たな動きについて。今、障害がある人の役を当事者が演じる機会が増えている。当事者が演じることで、現実の社会に近い世界観をリアルに表現ができる。それが多くの人々の心をつかんでいる。そうした中、当事者キャスティングを支援する動きが広がっている。障害の特性に合わせたレッスンを行い、出演依頼が去年と比べて2倍以上に増えた芸能事務所の取り組みを取材。脚本家・演出家・藤井清美さんは、さまざまな障害について1から勉強。俳優たちの力を引き出す“手引き”作りを筑波大学の専門家と取り組んでいる。その中の1つ「情報提供シート」は本人や保護者などが障害の特徴や得意なこと、苦手なことなどを記入。制作陣とシートを共有し、演技の内容の改良や現場でのスムーズな受け入れにつなげる。情報提供シートは、8月に行われた太平洋戦争下の長崎での出来事を描いた舞台で初めて試験的に使われた。