トランプ大統領はSNSで「日本との巨大な貿易協定がついに始動した」などと述べた。赤沢大臣は「WinWinの関係」とコメント。アメリカが一方的に課してきた関税を引き下げるため、去年7月80兆円の投資を約束した日本。その第1弾の3つの案件を日米両政府が発表した。1つめは人工ダイヤモンドの製造事業。人工ダイヤモンドの成分や構造は天然と同じで、硬さを生かし正確にモノを切断できるので、半導体や自動車製造などに欠かせない。人工ダイヤモンドでつくる半導体にも期待されていて、これは現在主流の半導体と比べ高温・高電圧で動作可能で、発熱も少なく冷却設備が必要ない。電気自動車などの小型化が期待され、究極の半導体とも呼ばれる。人工ダイヤモンドは中国のシェアが圧倒的なので、日米で協力し製造を急ぐ考え。2つめは巨大なガス火力発電所の建設。アメリカではAI用データセンターの建設が進んでいて、電力需要の大幅な伸びが見込まれているためだ。このプロジェクトはソフトバンクグループが主導する予定。3つめは原油を積み出しする港の施設整備。日本政府は商船三井やJFEスチールなど大手企業が参加を検討していると発表。しかし一部企業は「前向きに検討する」というコメントに留めていて、参加は不透明。赤沢大臣は日本企業の売り上げ増加などが見込まれるとしているが、3つの案件でかかる5.6兆円の事業費は日本の民間企業が負担し、第1弾だけでは約束の80兆円の1割にも届いていない。アメリカは土地などを提供する仕組みだが、経済官庁幹部からは「本当に工場が建つのか」という不安の声も。トランプ大統領は3つの案件について「数十万人規模の雇用を生み、国家・経済安全保障をこれまでにないほど強化するものだ」「関税なしには実現しなかった」などと主張。「得をするのはトランプ大統領では」という見方もあるなか、日本は投資に見合うリターンを得られるのか。
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