ドイツの連邦統計局は15日、去年1年間のGDP(国内総生産)の速報値を発表した。前年と比べた伸び率は実質でマイナス0.2%となり、マイナス0.3%だったおととしから2年連続でマイナス成長となった。ドイツが2年連続でマイナス成長となるのは、経済が低迷し「欧州の病人」と呼ばれていた2002年〜2003年にかけて以来。発表では去年の伸びについて「輸出を巡る競争の激化やエネルギー価格の上昇、高止まりする金利などの構造的な圧力が経済発展の妨げとなった」と説明している。ドイツは長年、価格の安いロシアからの天然ガスが製造業などの競争力を高めてきたが、ロシアのウクライナ侵攻を受けて輸入が停止し、自動車や化学などの主要産業が不振に陥っている。また、中国の低価格EVとの競争激化で、自動車最大手フォルクスワーゲンの業績が悪化している。来月下旬に予定される議会選挙でも、経済政策が主要な争点となっている。