近年、問題となっているのが分譲マンションの老朽化。鉄筋コンクリート造のマンションはおよそ68年が平均寿命とされているが、建て替えにあたっては所有者の合意形成を得るのが非常に高いハードルとなっている。建て替えを進めるには入居者のうち5分の4が賛成する必要があるため、全国でも建て替えが実現したのはわずか300棟ほど。こうした状況を受け、国の法制審議会はマンション法の改正に向けた議論を開始している。議論が進められる背景にあるのはマンションが「スラム化」してしまうことへの懸念。日本では1970年代に大量のマンションが作られたが、2020年代に入りそれらのマンションが続々と寿命を迎えることに。建て替えのハードルが高い現行法のままではこれらのマンションが放置されてしまい、震災時などの倒壊リスクが跳ね上がるため、政府は法改正によりそうした事態を防ごうとしているのだ。