政府の新たな経済対策に、「103万円の壁」の見直しにつながる文言が盛り込まれるのかどうか。今行われている自民党、公明党と国民民主党による政策協議で、焦点の1つになっている。政府の新たな経済対策を巡り、与党との政策協議を行っている国民民主党。党の会合では、与党が示した経済対策の案について意見を交わし、「103万円の壁」を見直し、所得税の控除額などを引き上げることが分かるような文言を盛り込むことや、ガソリン減税の実施を明記するよう、与党側に要望する方針を確認した。国民民主党・浜口政調会長は「経済対策の中に次の税制改正につながるような文言を明記してもらうのが基本スタンス」と語った。その上で夕方に行われた3党の政策協議。国民民主党が党の会合で確認した要望を伝えたのに対し、自民、公明両党は持ち帰って検討する考えを伝え、あす改めて協議することになった。自民党・小野寺政調会長は「一致点を見出していきたい」と語った。立憲民主党は年収の壁のうち、厚生年金の加入要件に関する「106万円の壁」の撤廃を巡る検討状況について、厚生労働省の担当者から説明を受けた。会議の座長を務める立憲民主党・山井和則衆議院議員は「建設的に議論をしていかなければならない」と述べた。立憲民主党・野田代表は街頭演説で、与党が過半数を割り込んだことも踏まえ「議員立法もどんどん国会審議の舞台に上がることになる。より働き控えの大きな影響を及ぼしているのは130万円の保険料(負担)の壁。対策本案を国会に提出した。臨時国会では議論のそ上にのせたい」と述べた。臨時国会は、今月28日に召集される見通しになっていて、政府はその前の今週中にも、経済対策の策定を目指している。「103万円の壁」の見直しを巡っては、今後、自民党、公明党と国民民主党の3党の税制調査会長による協議も行われる予定で、1つのヤマ場を迎えることになる。