3連休明けの証券会社。朝から電話が鳴り止まない。ことの発端は先週金曜。株式の取り引きが終了した午後3時半過ぎ、公明党が自民党との連立政権からの離脱を表明。連休明けのきょう、政局の混乱を嫌気した売りが殺到した。今月4日に高市氏が総裁に就任して以降、高市政権誕生への期待感で株を買う、高市トレードが進んだ。日経平均は1週間で2300円ほど上昇。しかし、きょうの取り引きで1200円以上値を下げ、高市トレードが一気に巻き戻す形に。高市銘柄として株高を牽引してきた半導体関連や防衛関連が特に下がった。市場が注目するのは次の総理が誰なのか。国会では総理大臣指名選挙に向けた多数派工作が激しさを増している。今、その駆け引きの中心にいるのが国民民主党・玉木代表。他の党との連携には安全保障やエネルギー政策など基本政策の一致が前提になると強調。その国民民主党に会談を申し入れた自民党。自民党・鈴木幹事長は、国民民主党・榛葉幹事長に総理指名選挙での協力を呼びかけた。さらに国民民主党との連立にも意欲をにじませた鈴木幹事長。榛葉幹事長は「一足飛びに他の野党と連立というのは、そう簡単じゃないし、現実的じゃない」などと述べた。榛葉幹事長はその後、公明党・西田幹事長とも会談。今後の連携も見据え意見交換した。国民民主党との連携に意欲を示すのは立憲民主党も同じ。立憲民主党と日本維新の会、国民民主党の幹事長がきょう会談。総理指名選挙での対応をめぐり、あす3党の党首会談を開催することで合意。立憲民主党は野党側の候補を国民民主党・玉木代表に一本化することも視野に協議する構え。こうした中、自民党・高市総裁は、党所属の国会議員を対象にした会合で、公明党が連立政権から離脱した経緯を説明し陳謝した。さらに総理指名選挙にむけて、「合意できる政党と一緒に歩めるよう努力する」と訴え、理解を求めた。総理指名選挙が行われる臨時国会は今月21日に召集される方向だが、与野党どちらから次の総理が選ばれるのかは見通せない情勢。
