太平洋戦争の激戦地として知られるグアム。去年出版された本「A BORROWED LAND」には日系人の歴史が記されている。著者のピーター・オネデラさんは戦後生まれの日系3世。これまで日系人の歴史はほとんど知られてきていない。日本からグアムへの移住が本格的に始まった1900年代初頭。住民の9割がチャモロ人で日本人はチャモロ人女性と結婚し、農業などで生活の基盤を築き上げていった。戦前の豊かな暮らしは本の中にも描かれている。1941年の真珠湾攻撃で旧日本海軍がグアムを占領。共存してきた日系人は戦争を境に敵意を向けられるようになる。2年半後にはアメリカが奪還し、一部の日系人や家族は収容所に入れられた。本には日本人として扱われず、チャモロ人にも受け入れられなかった日系人たちの苦しい立場が記されている。オネデラさん戦争を知らない世代に語り継ぐ活動をおこなっている。今のグアムは経済や安全保障で激しく競り合うアメリカと中国の対立の最前線となりつつある。