OECDが調査した各企業の研究者に占める女性の割合は、日本が最も少ない17.5%となっている。こうした中、東北大学では男女問わず研究しやすい環境づくりに努め、女性研究者を増やそうとしているという。東北大学では、女性研究者の裾野を広げるため、中学生を対象にした体験会が開かれた。東北大学では、国内で初となる女子大学生を誕生した歴史を持っており、2001年から女性研究者の育成に力を入れたところ、2023年には約4倍近い20.2%に増加し、科学技術振興機構から表彰を受けている。東北大学大学院 薬学研究科の佐藤恵美子准教授は、腎臓病の研究に取り組んでおり、大学の支援制度を活用しながら研究と子育てを両立しているという。東北大学では、22年前に大学として初めての病児保育施設を設置したという。また、女性研究者を対象とした研究費の助成も受けているという。佐藤教授は学生の実験の指導や論文の執筆、研究費取得のための申請書の作成などを行なっており、忙しい日々を送っている。負担軽減のため、大学の制度を使い美品の購入や実験の補助を担うスタッフを雇っているが、週6時間に限られるという。また、佐藤教授は、助成のほか、出産などで研究が途切れない仕組みを重要だと指摘している。卒業後、研究室に残らず民間企業に就職する学生が多いのも実情となっている。東北大学は、世界トップレベルの研究を出す国際卓越研究大学の初めての候補に選ばれ、正式に認定されれば年間100億円規模の資金が支給されるという。そして、将来的には研究を支援するスタッフを増やし、研究か教育、どちらかに専念するかを選びたいとしている。