フィリピンの家族介護事情を取材した。3人の子どもの育てながら85歳の母親を介護するジェニファーさんは、母が心臓発作で入院した際には家庭介護に限界を感じたという。急速な高齢化は行き場を失うという新たな問題を生み出している。国営の高齢者保護施設では200人の身寄りのない高齢者を保護している。入所者の中には家族から介護を放棄された例もある。貧困が解消されないまま高齢化社会を迎えつつあるフィリピンでは家族の面倒は家族がみるという伝統的な価値観が揺らぎつつある。こうした中、一足先に高齢化社会に進んだ日本のノウハウが注目されている。去年3月JICAの支援を受けパシッグ市に介護施設がオープンした。ある日本の介護関連会社ではデイサービスなどの事業をフィリピンでは始めた。デイサービスによってジェニファーさんも介護生活に余裕が生まれたという。この施設では訪問介護も行っており、排泄介助などのほか、家族に介護のノウハウを教えるなどしている。施設運営はJICAの事業終了を前に地元パシッグ市に移管される。パシッグ市では十分な予算確保を実施し、高齢者を社会で支える仕組みづくりを急ぎたいと考えている。
