常任理事国が拒否権を行使した場合10日以内に国連総会を開き説明を要求する拒否権イニシアチブが、総会の総意として採択された。リヒテンシュタインのウェナウェザー国連大使は、国連改革のし掛け人として知らない人はいない。大使はこの決議で国連総会の力が強くなったという。今月には、パレスチナの国連加盟についてアメリカが拒否権を行使したのに対し、国連総会は加盟支持の決議を賛成多数で採択した。その結果、パレスチナ代表の席が加盟国と同列の扱いになった。ウェナウェザー大使は、拒否権の行使に対抗し国連総会は独自の決定にも踏み込むべきだと考えている。ことし4月、北朝鮮に対する制裁実施状況を調査してきた安保理の専門家パネルがロシアの拒否権で活動停止となった。大使は、安保理に代わり国連総会が専門家パネルを設置すべきだという。拒否権イニシアチブが採択された後も、拒否権の行使はこの2年余りで10回を超えていて、乱発を止める決定打にはなっていない。