チュニジア政府の代表らが群馬県の四万温泉を訪れた。目的は日本の温泉の現状やまちづくりを知ることだという。地中海に面した北アフリカのチュニジアでは健康療法「タラソテラピー」を取り入れたスパが人気。内陸部にも豊かな温泉資源を有すが、観光地として発展してきた沿岸部と比べて内陸部では観光客の定着には至っていないということ。こうした中、目をつけたのが内陸にある群馬の温泉だった。宿泊するのは約330年の歴史を持つ老舗旅館。温泉リゾートのオーナー、ファイエズさんは自らが運営するリゾート施設にも伝統的な旅館での温泉の活用方法や、日本のおもてなしを取り入れられないかと考えている。注目したのが旅館での健康を意識した食事だった。また、旅館は経営危機から立ち直った経験を説明した。こういった経験は新鮮に映ったようだった。積善館の黒澤社長は「国や文化を超えて広がってくれたらうれしい」などと話した。ファイエズさんは今後日本の建築士と連携し、チュニジアで日本風の温泉旅館の建設も検討しているということ。