培養肉作りを決心した大阪大学大学院・松崎典弥教授。松崎教授はヒトの細胞から臓器や皮膚を作る再生医療が専門。しかし、どうすれば霜降りステーキの形のような培養肉を作れるのか?松崎教授が注目したのが肉の構造。肉を構成するのは筋肉・血管 ・脂肪の細い繊維。これを組み合わせればきれいなサシの入ったステーキ肉が作れるはずと考えた松崎教授にはある秘密兵器があった。それが3Dプリンター。培養肉を短時間で作ることができるという。作り方は、まず食用肉から採取した細胞を培養する。その細胞から3Dプリンターで筋肉・血管・脂肪の繊維を作る。それらを本物の霜降り肉と同じ構造になるように0.5ミリほどの繊維を組み合わせていくという。こうして2019年から始まった培養肉作り。まずは100本の繊維から始めることにしたが、ここで大きな問題に直面。わずか0.5ミリの繊維を束ねるのは全て手作業。100ほんの繊維を組み合わせるのに6時間もかかってしまった。そこで松崎教授は複数の企業に協力をあおぎ、繊維を自動で組み合わせる装置を開発。特殊な機械で1本1本丁寧に束ね、最後に押し固める培養肉のステーキが閑静。さらに肉の形状はもちろん味も徹底追求。栄養素や脂肪分なども細かく調整した。こうして世界初の霜降り培養肉がが生まれた。今回万博会場で培養肉を食べることはできない。培養肉については様々な意見があり、今後国が安全性確保の議論を進めていく方針。