基礎的財政収支は、政策にあてる経費を税収などでどれだけ賄えるかを示す指標で、政府は財政健全化に向けて新年度に黒字化する目標を掲げている。新年度については、国と地方合わせて8000億円程度になる試算を去年7月に示していた。しかし関係者によると、新たな試算では黒字から一転して赤字になる見通しで、政府は今週にも開かれる経済財政諮問会議でこの試算を示す方針。物価高への対応などを柱とする今年度の補正予算が13兆9000億円と大きな規模となり、新年度にまたがる事業があることが要因となっている。基礎的財政収支の黒字化の実現がさらに先送りとなる形で、今後、金利の引き上げに伴う国債の利払い費の増加も避けられない中、財政健全化に向けた姿勢が改めて問われそう。