2025年9月14日放送 9:00 - 10:00 NHK総合

日曜討論
(1)立憲民主党は何をめざす 安住幹事長に問う(2)物価・賃金 日本経済の今後は

出演者
太田真嗣 上原光紀 
(オープニング)
オープニング

オープニング。第1部では立憲民主党・安住幹事長に党の方向性などを問う。第2部は日本経済の今後を専門家が徹底分析する。

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第1部
役員人事のねらいは/党の現状と課題は/党として何をめざすか

立憲民主党・安住幹事長は役員人事について「党内には多種多様な人材がいるのでそれを皆さんに知ってもらうことが大事。今後も若手をどんどん要職に起用していきたい」などと話した。党の立て直しについては「衆参で200人近い議員の潜在能力を引き出して存在感を発揮できるようにしてあげたい」などと話した。党として目指すことについては「党の立ち位置を穏健・中道・リベラルに置く。そして格差社会で苦しむ人たちに身近な政党であることを発信していく」などと話した。

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政権交代は/他の野党との連携は/自民党とどう向き合う/政権与党とどう向き合う

立憲民主党・安住幹事長に話を聞く。NHK世論調査で望ましい政権の枠組みを聞いたところ、「野党による連立政権」17%との答えになっている。単独で政権を取るのは我が党だけに限らず自民党も厳しい時代だと思うが、比較第一党になることは現実的だと思う。全体の支持率は低いが、個々の選挙区の調査をすると非常に競り合っており、受け皿は我が党しかないことが現実。ただ、我が党が軸になって他党を呼びかけて政権を創るところまでの求心力がないことは認めざるを得ない、求心力をいかに創っていくかが課題だと思う。まず自民党との衆議院選挙で比較第一党になることが政権への近道だと思う。首相指名の決選投票は自民党の新総裁と我が党の野田代表になると思うが、前回は他党の無効票が多かった。ルール上は2人の中からどちらかを選んでくださいというのが決選投票で、そういう点では野党で野田代表に投票していただく環境づくりをしたい、勝てば政権を取ることになる等と述べた。

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政策課題 何に取り組む/ガソリン税 暫定税率廃止は/内閣不信任案は/解散・総選挙は/他の野党との連携は

安住幹事長は政策課題について「早急に国会を開いて物価高対策に取り組むことが我々の責務。自民党には現金給付案を下げてもらって消費税減税等を検討してもらいたい」などと話した。ガソリン税の暫定税率廃止については「10月までには法案を成立させたい。廃止すること自体は決まっているので自民党には踏み込んだ議論をお願いしたい」などと話した。内閣不信任案については「国会で十分な議論を行った上で出すかどうか判断すべき。闇雲に出すと国民から批判を受ける」などと話した。解散総選挙への準備については「いつ解散となってもいいように準備はしておくが、総裁が変わった瞬間に解散するのは国民は厳しい判断を下すと思う」などと話した。野党との選挙協力については「全体では協力できないが個別選挙区ごとなら協力の余地はある」などと話した。

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政治の信頼回復は

安住幹事長は政治の信頼回復について「SNS等で尖った内容の発信が持て囃される時代だからこそ常識的で真面目な対案を出し続ける政党でありたい。このような政党が穏健・中道・リベラルの真ん中にいることで政治の安定が生まれる」などと話した。

第2部
物価・賃金 日本経済の今後は

物価は依然高い水準が続いている。先月発表された7月の消費者物価指数は、上昇率が8ヶ月連続で3%台となった。こうした中、賃金が物価を安定的に上回る経済を作り出せるかが課題。さらにトランプ関税が今後どの様な影響を及ぼすのか先行きは見通せてない。日本経済はどうなるのか、今必要な対策は、4人の専門家が分析。

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日本経済団体連合会消費者物価指数筒井義信
日本経済の現状をどうみる

実質GDP成長率は、先週発表された今年4月~6月までの改定値は年率換算で+2.2%と、先月発表された速報値の1.0から上方修正された。主な要因は、個人消費の上振れ。前の3ヶ月からの伸び率は+0.4%。実質GDPの伸び率は5期連続プラスとなっている。日経平均株価は先週史上最高値を更新。9月の初旬から上昇傾向となっていて、先週には3日連続で終値としての史上最高値を更新。12日の終値は4万4700円を超えている。景気の現状について、BNPパリバ証券の中空さんは「日本経済は回復過程に入ってる途中。ただ株価はNYダウに連動したところも大きい。新政権になることに対する期待感で猛烈に上がってる」などと述べた。第一生命経済研究所の永濱さんは「実質GDPのデータは、名目だと年率で6.6%も増えている。日本は完全にデフレから脱却してる。それにより名目の経済規模の拡大の影響も大きい。ただ、名目GDPが拡大しているにも関わらずインフレによって政府が税収を取りすぎてる。企業が労働分配率が歴史的に見ても過去最低水準になるというところで日本経済は厳しい」などと述べた。大和総研の熊谷さんは「日本経済は緩やかな拡大がこれからも続いていくという見通しが多い。株価に関して1980年のときと比べると日経平均株価は約6倍だが、企業収益は約8倍になってる。他方でリスクが山積していて、海外の問題、実質賃金が追いついていないのでこれがマイナスの状況。これから特に困っている人に対してピンポイントのような対策を考えていかないといけない」などと述べた。みずほリサーチ&テクノロジーズの門間さんは「今の日本経済可もなく不可もなくということ。問題はこれからで、トランプ関税の影響が世界全体に出てくる可能性がある。物価高で家計が苦しんでいる。株価は上がってるから景気が良いというわけでもないし、日本経済がだめだから株価が上がらないということでもない」などと述べた。

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物価高対策 何が必要か/「給付」をどう考える/日本の財政状況をどうみる

7月の消費者物価指数の生鮮食品を除いた指数は去年の同じ月より3.1%上昇した。上昇率が3%台となったのは8か月連続。そして10月に値上げされる品目数は3000品目を超える見通し。永濱さんは「物価高対策としての給付金は貯蓄に回ってしまうので反対。デジタル商品券のようなものを政府主導で配るのが効果的ではないか」などと話した。門間さんは「物価問題の本質は格差問題。物価高の痛みが少ない人に負担をしてもらい、それを痛みの大きい人に再分配する仕組みが重要」などと話した。熊谷さんは「所得制限を設けた給付の方が費用対効果の面で消費税減税より良いと考える」などと話した。中空さんは「物価高対策より賃金を上げることが大事」などと話した。日本の財務状況について永濱さんは「インフレで日本の財務状況は改善している。そこを活用した積極的な財政支出を行うべき」などと話した。熊谷さんは「インフレで一時的に税収が上振れているからといってそれを先行して使うのは反対」などと話した。門間さんは「財政規律が失われていると判断されれば国債の暴落などにつながりかねない。一方で基礎的財政収支の黒字化に固執し過ぎても良くない。バランスが大事」などと話した。

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賃上げ実現に何が必要か/“物価上回る賃金”実現は

政府が目指しているのは物価を上回る賃金の上昇。働く人1人あたりの現金給与の総額を示す名目賃金の伸び率を紹介。7月分の速報値では前年同月比4.1%増加。ただ、物価の変動を反映した実質賃金を見ると0.5%の増加に留まっている。中空氏は「働き方改革をやりすぎたことで残業規制とかが若い人の成長を阻んでいるんじゃないかとか様々な問題が出てきていると思うので見直すべきだと思う。働き方に見合う報酬制度を徹底していくことで労働市場を活性化する、それによって根本的に賃金を上げていくことが必要になってくるのではないか」、門間氏は「世の中すべてのものは需要と供給との関係で価格が決まっていくため、労働力も人手不足だったら賃金が上がりやすくなるという関係になっている。財政規律は大事だが急速な財政再建を進めすぎないようにするとか、日銀の金融緩和も急に正常化しないようにするとかマクロ政策が大事だと思う」等と述べた。

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「労働生産性」どう高める/“トランプ関税”の影響は/“トランプ関税”への対策は

賃金の上昇を目指すうえで重要なのは、企業の労働生産性。労働生産性はでおれだけ効率的に働いているかを示す指標だ。生産量などを労働投入量で割る。賃金とも関係がある。労働生産性がアップし、企業収益がアップ、そして賃金がアップする。日本の労働生産性は、56.8ドルで、G7主要7か国の中で一番低い。日本人は自虐的にならないほうがいいと門間さんがいう。労働生産性は社会の価値観とセットになっている。これだけで単純に考えない方がいい。熊谷さんは、労働生産性は上げなければいけないという。人材投資が足りない。AIや漁師などにしっかりとお金をつけ、ダイバーシティもやっていく必要がある。働き方に見合う報酬制度が徹底され、労働市場が流動化し、施策を行うことが大事だと中空さんがいう。日本は雇用市場を固定的に考えすぎてきたという。労働生産性には設備投資が重要だと永濱さんがいう。国内の設備投資が進む減税も必要となる。リスキリングを促すことも重要となる。労働生産性をあげるためにAIやデジタルを使うことになると門間さんがいう。合理化からすすめると賃金は上がらなくなる可能性がある。賃金が上がってから、合理化する順番が大切だとのこと。トランプ関税への対応を話し合う。10月を越すとアメリカにも影響が出てくると中空さんがいう。日本への影響は、まだ本格的には出ていない。日本の企業はうまくコントロールするのではないかと中空さん。永濱さんはできるだけ倒産を増やさない政策が重要だという。前回の関税では景気後退となった。雇用調整助成金にはできるだけお金を使わない方がいい。求職者支援制度にお金を使うほうがいい。熊谷さんは、日本のGDPは5兆円落ちるという。影響は出始めている。対米の自動車輸出は減っている。来年のボーナスなどが減る。今週FRBが金利を下げると門間さんがいう。アメリカでは雇用の悪化がみられている。日本への影響をよく見ていくことが重要だ。特段の景気対策は必要ないだろうが、不確実性は大きい。景気対策の準備は必要だ。

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今後の日本経済は/“トランプ関税”への対策は

これまでの自由貿易体制を覆すものになったトランプ関税。これからの日本経済にはなにが必要なのか。トランプ大統領は自国が儲かるように仕向けたと中空さんがいう。日本の道筋を描くことが重要だ。熊谷さんは、自由貿易、法の下の平等などをトランプは蔑ろにしている。いろんな国との関係を良好にする必要がある。日本は根っこの問題である格差に手を移す必要があるという。門間さんはトランプ大統領がやろうとしているのはアメリカ第一主義だという。世界全体は力勝負になっていく。これからはアメリカに対する甘えをしてはいけない。それでもアメリカに輸出できるよう産業を強化することが必要だという。永濱さんは、アメリカへの80兆円規模の投融資が気になるという。半導体の製造まで吸い上げられてしまう可能性がある。日本の資本蓄積が重要だ。グローバルサウスの開拓が求められる。日本の潜在成長率をあげることが重要だという。資本投入量と労働時間の減少が足を引っ張っている。供給力を強化するインセンティブ減税をトランプが行っているのでそれを参考にしてもいい。効果的な財政政策が必要だ。熊谷さんは、経済成長すると同時に格差を是正することが大事だという。二兎追うことが大事になる。アメリカ、イギリスに次いで格差が大きくなっている日本。貧困の問題がある。給付付き税額控除が必要だ。正面から議論する時期にきている。低所得者に対し、しっかり支援する必要がある。門間さんは経済成長の方法に対する明確な答えはないという。この国をどういう国にしたいのか考えなければいけない。クリーンエネルギーの分野を引っ張る、教育大国にするなど、ビジョンを持つことが大事だという。中空さんは競争力の強化が必要となるという。日本はどこを強くするのかを決めるのが重要だとのこと。グリーントランスフォーメーションは日本の強みだという。

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(エンディング)
エンディング

エンディング映像が流れた。

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安住淳

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