東京・渋谷区にある小池精米店では農家から在庫不足のお詫びが届き、再びの“コメ不足”を懸念していた。コシヒカリ5キロの小売価格は去年1月には2440円だったが、先月は4185円となるなどコメの価格は高騰(総務省小売物価統計調査より)。農林水産省は去年のコメの生産量は前年より多いと見込んでいるが、市場に出回っているコメは前年よりも21万トン少ない。21万トンのコメはどこに消えたのか調べてみた。千葉県いすみ市の新田野ファームに話を聞いた。倉庫の前には高騰するコメを守るためのキャンピングカーがあった。コメが盗まれないよう泊まり込みをすることもあるという。コメがどれくらい残っているか聞いてみると、契約済み分を出荷すると在庫はほとんど残らない。一部の業者が在庫を抱え、売り時を探っている可能性があるという。埼玉県の米飯製造会社によると、契約したにもかかわらず集荷業者からコメが入らないという。集荷業者にとってはペナルティーを払っても高く買ってくれるところがあり、そっちの方がもうかるという。小池精米店・小池理雄さんは農家などから聞いた話として「普段は鉄くずを集めてたり、IT業界の人がやってきてコメを集めているというのは聞いた。普段やっている仕事ではないのは間違いない」と語った。番組が農家に取材したところ、普段コメの売買にはかかわらないスクラップ業者から連絡がきたという。また、別の関係者もスクラップ業者が急にコメを集め出したと証言し「株のような感覚でもうかると考えたのでは」と話している。他にもあるコメの卸売業者が本来コメを扱わないブローカー的な業者が市場に参入していると証言。今月、江藤農水相は「コメの価格上昇の背景は投機的なものであってマネーゲームであるということは明らかだと思う。今回は今までコメを扱ったことがないような人まで参入している気配がある」と発言。農林水産省は消えた21万トンの調査を続けるとともに、備蓄米の放出に向け、あす販売量や対象者などを公表する予定。