前回大会では競技の後半に次々大技を決めて逆転し、初代王者に輝いた堀米雄斗選手。その後の3年間は追われる立場に。しかしケガ・不調に悩まされパリに向けた選考大会では結果がふるわず、最終選考を残した時点で代表枠3人に対し堀米選手は5番手と一時は出場すら危ぶまれた。この頃について堀米選手は「大会に出場するのはもうやめたいとかスケボーを一回、ちょっと休憩したいなみたいな。本当に行き詰まっていたし、何をやってもうまくいかないことがすごく多かったんで」と苦しい胸の内を明かしていた。こうした中、先月行われた最終予選に「悔いを残さず全力で滑りたい」と強い思いで臨んだ堀米選手は、逆境の中見事優勝し土壇場で日本勢3番手に浮上、パリ行の切符を手にした。王者として迎えたパリ五輪。堀米選手は前回大会にも出場した白井空良選手とともに決勝へ。ストリートは45秒間自由に滑りながら様々な技を繰り出す「ラン」2本と、高難度の技を1つ披露する「ベストトリック」5本を行う。得点が高い「ラン」1つと「ベストトリック」2つの合計ポイントで競う。堀米選手のランではトリックを次々成功させ89.90の高得点。しかし日本の白井選手やアメリカの2選手が得点を上回り、堀米選手は全体で4位に。そして運命のベストトリックを迎える。1本目は後ろ向きに飛びボードを滑らせる大技が成功し94.16の高得点。さらに続く白井選手はボードを回転させながら見事な着地を決め94.80。そんな中立ちふさがったのはアメリカ勢。2人とも1本目・2本目ともに90点を超える高得点で再び1・2位を独占する。その後、白井選手が大技を決めて3位に浮上するが、堀米選手は2~4本目を失敗し得点を重ねられない。4本目を終えた時点でトップとの差は96.98。ここまでの全選手のベストトリックの最高点は95.25。背水の陣で臨んだラスト5本目で今大会最高得点の97.08点を叩き出し、劇的な大逆転劇。その後、2位のイートン選手が失敗し堀米選手はわずか0.1上回って2連覇。白井選手は4位となった。