東京・墨田区にある東京都慰霊堂。東京大空襲から80年となる今日、犠牲者らを追悼する法要が営まれた。1945年3月10日の未明、アメリカ軍のB29爆撃機による無差別攻撃で、東京の下町一帯が火の海と化し、一晩で約10万人が犠牲になったとされている。この戦時中、国民を戦争に協力するよう駆り立てたのは、国によって行われた戦争プロパガンダ。国策標語や国策映画など、あらゆる手段で国民の戦争熱を高めていったが、本来、人を笑わせるための落語すらも戦意高揚のために使われた。落語家の林家三平さんが、戦時中に作られた国策落語を今日、都内で披露した。演じたのは祖父である七代目林家正蔵さんが作った「出征祝」。店の若旦那に召集令状が届き、それを喜び、祝おうとする大旦那や奉公人たちの様子を描く。笑える落語は封印され「お国のために」というような内容が並ぶ。三平さんは落語で笑える平和の大切さを訴える。