中国が日本への圧力を1段階押し上げてきたといえる。中国は日本に対し、軍民両用品の輸出規制を強化するとしている。その中にレアアースが含まれる可能性がある。レアアースは“産業のビタミン”とも呼ばれる。レアアースを使用した強力な磁石は、電気自動車やスマホの“モーター”を動かしたり、医療用MRIなどにも使われている。蛍光・発光する特性を活用したものとしては、LED照明や液晶ディスプレイなど幅広く使われている。レアアースを日本は中国に大きく依存している。2010年に尖閣諸島をめぐる対立で日中関係が悪化し、中国が日本へのレアアースの輸出を一時停止。日本は他国からの輸入を増やし中国からの輸入割合が減少したが、直近の中国からの輸入割合は約7割となっている。東京大学大学院の中村謙太郎教授によると、中国に頼らざるを得ない理由のひとつは“コスト”。レアアース鉱石には放射性物質が含まれ、環境問題を重視する国で“精錬”をするとコストが大きくなる。中国では環境規制が緩く人件費も安いため、安く生産できる。もうひとつの理由は“独占状態”。自動車や半導体製造装置など日本が得意とする産業に欠かせない重いレアアースは、中国がほぼ100%生産しており他国からの調達は難しい。
中国側による輸出規制強化の発表について、木原官房長官は「決して許容できない」と発言。政治部官邸キャップの千々岩森生氏によると、外務省幹部は圧力のレベルが上がったのは間違いないと話している。政府の対応のポイントはふたつ。まずは、本当にレアアースを止めると中国経済にもマイナスとなるため、あくまで脅しに過ぎないのか見極める必要がある。もうひとつは、中国の輸出規制をアメリカも強く反対していること。中国からのレアアースを使って日本で製品化されたものが、アメリカに輸出されている。中国から日本への流れが止まると、アメリカも被害を受ける。高市総理は反対するアメリカと連携しながら対応に当たることになりそうだ。高市総理が発言を撤回することはないだろう。総理周辺には中国との対決姿勢を見せるほうが支持率に繋がる、との見方もある。一方で「強い経済」に水を差す恐れもある。国益に政治的打算や看板政策の行方など色々なものが絡みながら、明確な対中戦略はまだ見えてこない。レアアースの調達先を中国以外にも分散させることは、経済安全保障の点でも重要なテーマ。日本側が“台湾有事”をめぐる高市総理の発言を撤回できないところにきている以上、着地の方向性としては中国側の面子を立てながら日本攻撃の方向を収めさせるという難しい方程式を解くしかない。日中を結ぶ政治的外交的な繋がりが弱くなっており、答えを見つけ出すのは容易ではなさそうだ。
中国側による輸出規制強化の発表について、木原官房長官は「決して許容できない」と発言。政治部官邸キャップの千々岩森生氏によると、外務省幹部は圧力のレベルが上がったのは間違いないと話している。政府の対応のポイントはふたつ。まずは、本当にレアアースを止めると中国経済にもマイナスとなるため、あくまで脅しに過ぎないのか見極める必要がある。もうひとつは、中国の輸出規制をアメリカも強く反対していること。中国からのレアアースを使って日本で製品化されたものが、アメリカに輸出されている。中国から日本への流れが止まると、アメリカも被害を受ける。高市総理は反対するアメリカと連携しながら対応に当たることになりそうだ。高市総理が発言を撤回することはないだろう。総理周辺には中国との対決姿勢を見せるほうが支持率に繋がる、との見方もある。一方で「強い経済」に水を差す恐れもある。国益に政治的打算や看板政策の行方など色々なものが絡みながら、明確な対中戦略はまだ見えてこない。レアアースの調達先を中国以外にも分散させることは、経済安全保障の点でも重要なテーマ。日本側が“台湾有事”をめぐる高市総理の発言を撤回できないところにきている以上、着地の方向性としては中国側の面子を立てながら日本攻撃の方向を収めさせるという難しい方程式を解くしかない。日中を結ぶ政治的外交的な繋がりが弱くなっており、答えを見つけ出すのは容易ではなさそうだ。
