日銀は、きょうまで開いた金融政策決定会合で国債の買い入れの規模を減らす方針を決めた。現在は月間の買い入れ額を6兆円程度としているが、来月の会合で今後1年から2年程度の具体的な減額計画を決定するとしている。日銀は、ことし3月にマイナス金利政策を解除するなど大規模な金融緩和策を転換したあとも従来と同じ規模で国債を買い入れてきたが、これを見直すことで金融政策の正常化をさらに進める。日銀の決定を受けて東京外国為替市場では一時、1ドル158円台前半まで円安が進んだ。市場からは踏み込んだ姿勢が示されなかったと受け止めも出た今回の発表。会見で植田総裁は、国債買い入れの減額を予見可能な形で丁寧に進めていく必要があるという考えを強調。会見では円安についての質問が相次ぐ。4月の会見で植田総裁は、円安による基調的な物価への影響は無視できる範囲かという質問に「はい」と回答。このあと円安が急速に進み、政府日銀が市場介入を行う事態に。会見で今の円安について問われると「最近の円安の動きは物価の上振れ要因であり政策運営上十分に注視している」とコメント。植田総裁のこの発言について専門家、外為どっとコム総合研究所・神田卓也調査部長は「円安を引き起こしたと言われているのでこのあたり慎重になったと感じた」と読み解く。会見で、円安を止めるためにどうしたらいいか問われると「市場動向に関するコメントは差し控えたい」。一方、来月の会合で追加の利上げを検討するかという質問に対しては「これまでのところは私どもの見通しにおおむね沿ったデータの出方となっている」とコメント。