今月、群馬・伊勢崎市で狂犬病の予防接種を受けていない犬に小学生らが噛まれたが、SNSにはさまざまな投稿が相次いだ。狂犬病予防法に基づき、犬の飼い主は住んでいる市町村に飼っている犬を登録して、狂犬病の予防接種を毎年受けさせることが義務づけられている。ただ、接種率は減少傾向にある。世界保健機関は狂犬病のまん延を防ぐためには、接種率を70%以上に保つこととしている。岐阜大学の専門家は室内で飼育されている犬が増え、予防接種をしなくても大丈夫と考えてしまうのではないかなどと話す。狂犬病を発症すると、致死率はほぼ100%。ただ、国内で犬などにかまれ人が狂犬病を発症したケースは、1956年を最後に報告されていない。海外ではアジアやアフリカを中心に年間5万9000人が死亡し、このうち99%は狂犬病にかかった犬からの感染とされている。なお、SNSでは「狂犬病は生小豆を食べれば治るので、接種は必要ない」などとする誤った情報も拡散されている。