一昨日、大和総研はこんなレポートを発表した。認知症の高齢者が持っている金融資産が将来増加する見込みということで犯罪などのリスクに備えるよう呼びかけている。認知症と軽度認知障害の人たちが持っている金融資産の合計。これがおよそ294兆円ある。これが個人が持っている家計の金融資産残高の全体の1割に当たる。今、投資の機運も高まっているのでこれが2035年度には473兆円まで増加するという試算がある。ただ、認知症の方が金融犯罪に巻き込まれないか心配。そもそも高齢者が狙われやすい傾向にある。警察庁は去年特殊詐欺の把握件数1万9000件と発表をしており、被害額はおよそ450億円に上っている。こうした被害者のうち65歳以上の高齢者の割合というのが何と78.4%もいる。65歳以上の方の中で今認知症の方というのは10人に1人以上ともいわれている。そうした認知症の方を狙った悪徳業者というのも増えている。新潟県ではこんなことがあった。ともに認知症の夫婦のもとにおよそ4年間で9社の訪問販売業者が訪れて布団など34件を次々に契約させた。代金の合計が1395万円に上った。契約者の長男夫婦が発見をした時には商品がほとんど使われていなかった。長男夫婦は年に一度程度は帰省はしていたが、両親の部屋には入っていなかったということでこの被害に気が付けなかったということ。ただ、認知症の高齢者が悪徳業者に狙われないために家族でできることはあるのだろうか。対策について詐欺悪徳商法に詳しい多田文明さんに伺った。こうした詐欺グループというのはまず入り口は電話になることが多いということで留守番電話を活用することを推奨している。これを使うことによって詐欺グループと直接話をしないさせないことによって詐欺のリスクが減る。またもう1つ成年後見制度を使うこと。判断力の低下した高齢者を支援するためのもの。家庭裁判所や本人などが事前に後見人などを選び、その人が本人に代わって資産である不動産や預貯金の管理などを行っていくというもの。多田さんは「ぜひ帰省した際には家族と認知症になったらどうするのかや資産がどれくらいあるのかといったことを話すいい機会にしてほしい」と指摘。ここでNEWS検定。今朝の問題は世界の先進国などで構成されるOECDの加盟国のうち認知症の患者の割合が最も多い国はどれか。