温泉街を見下ろす山の中に源泉小屋があり、2軒の旅館にお湯を送っている。源泉を貯めている木の枡にはお湯の塩分が結晶となって付着していた。塩分が豊富なお湯を利用した塩作りが昔から行われてきた。山塩と呼ばれ、会津藩に献上されるほど重宝された。戦後に安い塩が入ってきたことで塩作りは廃れてしまったが、20年ほど前に特産品にしようと再び生産が始まった。源泉を煮詰めて冷ますを繰り返し、4~5日かけて塩分濃度を高める。高濃度になった湯をさらに煮詰めると、表面に塩分の結晶ができ、鍋の底に沈殿したものをすくい上げて山塩ができあがる。