日本でもアクティビスト、いわゆるモノ言う株主による企業への圧力が増しているのは広く知られているが、こうしたファンドの要求は企業価値を高めているか。投資対象になった企業の株価や財務について日本経済新聞が分析したところ、株高効果は1年半にとどまることが分かった。アクティビストの保有が判明した当初は、企業から株価向上策を引き出すのではとの期待から、株価が上がりやすいといえる。シンガポール籍のエフィッシモ・キャピタル・マネージメントとみられるファンドが株主になった日産自動車の株価は、直後に一時2割上昇。大日本印刷は去年1月にエリオット・マネジメントの保有が明らかになり、直近まで株価は7割上昇。ただ、ファンドが投資した企業の株価騰落率を市場全体の値動きを移すトピックスの投落率と比較したところ、必ずしもファンドが優位ではないことがわかる。最初の1年は中央値で最大4ポイントほど高く株高効果が見られるものの、1年半後に失速し3年後は6ポイントほど劣っている。また、企業ごとの分布を調べると投資開始から半年で市場全体を下回る企業が45%、時間を追うごとに株価が振るわない企業が増えていき、3年後には56%となる。今後が継続比較できる230社の中央値を調べると変化が鮮明なのは株主還元。そもそもアクティビストが投資対象とする企業は業績が振るわない企業が多く、ファンドの圧力で株主還元は増えても、業績を改善させるのは難しいのが実情。(日経電子版)
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