2025年4月10日放送 23:06 - 23:55 テレビ東京

カンブリア宮殿
【“第三の創業”を掲げ改革に挑む1兆円企業】

出演者
村上龍 小池栄子 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

カンブリア宮殿 売上高1兆円の印刷企業 驚きの実力
北の温泉地に現れた!謎の「書店」が大人気

北海道・定山渓温泉の定山渓第一寶亭留・翠山亭は濃厚な温泉と北海道の 極上の料理が自慢。そのホテルには書店があり、風呂屋書店はホテルの運営が手掛けている。子ども向けの絵本や北海道にまつわる本など、ゆりスグリが並ぶ本のセレクトショップ。近年姿を消す書店。一つもない自治体が全国で3割近くあるという。定山渓でも唯一の書店が閉店し、宿泊客だけでなく地域の人も利用できる書店をホテルの中に作った。

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おいで…北海道定山渓温泉定山渓第一寶亭留・翠山亭風呂屋書店
ICカードにペットボトルも…逆風で稼ぎまくる“黒子”企業

その書店開業の支援サービスを行っているのが大日本印刷。創業は1876年に創業し、従業員は3万7000人。あまり知られていないが身近には大日本印刷が手掛ける製品が溢れている。その中にはICチップ付きカードやクレジットカードの製造発行。スーパーの飲料コーナーにも深い関わりがあり、飲料メーカーに大日本印刷が開発した無菌充填システムを提供。国内ペットボトル飲料の3分の1が第日本印刷のシステムで充填されているという。さらに日用品は食品のパッケージを製造し2000社と取引している。また証明写真機ではマイナンバーカードがその場で作れる機能も。反射しにくいモニターや印刷技術を駆使した建材など大日本印刷では製品やサービスの数が450以上。出版不況が続き紙への印刷が減る中でビジネスの多角化を進めてきた。ピンチを跳ね返し、利益はここ10年で1.5倍に。売上高は1兆4000億円に。

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大日本印刷新宿区(東京)
メディア初潜入!極秘工場 印刷技術が“最先端”に進化

本社の敷地内にある建物には市谷の杜 本と活字館が。昔の印刷技術を体験でき、活版印刷という方法で作られてきた。また写真原板は酸性の液体で表面で溶かして凸凹を表現している。この技術が世界を誇る最先端の製品に。埼玉県の上福岡工場にやってきたが、これまでメディアが入れなかった極秘の場所が。その場所では半導体製造用のフォトマスク。家電を始め、身の回りのものに組み込まれている半導体チップ。電子機器の制御を行う重要部品。このガラスはチップを作るための道具で、ガラスの表面は、薄い金属の膜で覆われる。この膜を印刷で培った技術で溶かして光を通す部分と遮る部分を作る。これがチップの原盤に。そこには肉眼では見えないナノレベルの線が引かれる。このガラス板に光を当てて、写真のフィルムを現像する要領で半導体の元となる部材に転写。それは数十回繰り返すことで半導体チップが出来上がる。次世代半導体の量産を目指す新会社ラピダスの登場やAI向けの需要を追い風に半導体市場での売上拡大を狙う。

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ふじみ野市(埼玉)ラピダス大日本印刷大日本印刷 上福岡工場市谷の杜 本と活字館新宿区(東京)
タイの「価格高騰」を救う!未来を変える!新ビジネス

愛媛県の宇和島市はマダイの養殖の日本一。

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マダイ宇和島市(愛媛)
炊いの「価格高騰」を救う!未来を変える!新ビジネス

愛媛県の宇和島市はマダイの養殖の日本一。しかしそのタイの仕入れ値は高騰しているという。取引価格は四年前の1.7倍に。ここまで上がった理由はエサの高騰。天然のイワシや海老や穀物などを独自配合してエサを作っている。しかしここ数年の原油高や円安や物価高も相まってにっちもさっちもいかなくなってしまった。そんな水産業界の悩みを解決しようと愛媛大学へ。社員がやってきたのは愛媛大学の研究室でそこにはミールワームが。飼育動物のエサとして使用される。このビジネスを発案したのは写真事業に携わる平井。ミールワームの飼育装置を開発し大量生産で安価な販売を目指す。寝床づくりから水やりまで自動で行っている。以前から昆虫をエサにする研究をすすめていた愛媛大学。ビジネス化したいと他社からもオファーがあった印刷が培った量産技術やノウハウに期待したという。立ち上げた4年、加工したミールワームをエサにし、市場を取りに行くことを狙っている。さらに大阪・関西万博でも社員が奮闘している。メインパビリオンの一つで企画・制作を行っている。

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2025年日本国際博覧会タイチマダイミールワーム大日本印刷宇和島市(愛媛)愛媛大学
国内世界でシェア1位も 出版不況でも稼げる秘密

大日本印刷では世界シェア1位のものはリチウムイオン電池用のバッテリーパウチ、ディスプレー用の光学フィルムなどがある。また国内シェアではICカードやペットボトル用無菌充填システムがある。また北島はパウチのゼリーであれは小さくて開けにくいフタのところに一部ゴムを入れて力のない人でも開けやすい技術も印刷の技術を応用しているという。また新規事業のアイディアを採用する基準について北島は、特別に何かがあるわけではないと答えた。またミールワームについて虫を大量にうまく育てるのと印刷で大量のものを作ることがつながっていると答えた。北島は何屋なのか?と問われ未来の当たり前をつくり、未来の人が当たり前に使う物を開発していきたいと答えた。

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大日本印刷
最新技術で漫画が動く!常識破りのアニメビジネス

大胆な発想で新しいビジネスに挑み始めたチームがある。それはアニメ。しかしその作り方が今までと違い、通常にアニメは膨大な量の原画が必要だが、漫画そのものを最新技術で動かしアニメ化する。スマホ向け漫画の流行で原画に着色する仕事が増え、そのデータをいかしてアニメが作れないかと考えた。様々な映像加工ができるプロ向けの動画編集ソフトをつかってアニメ化する。その制作費や期間は通常の5分の1に。すでに5本の作品がテレビ放映された。発案したのは元営業で出版社の担当だった端山。

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港区(東京)赤坂ビデオセンター
チキンラーメンにカラーテレビ 時代を支えた“サバイバル経営”

社長の北島は現場に赴いて挑戦することへの思いを直接伝えている。その歴史が始まったのは1876年。活版印刷所として銀座で創業した。活版印刷の技術は当時の最先端で戦後の高度経済成長期は出版物以外にも、事業を広げていき第二の創業へ。チキンラーメンの袋も大日本印刷が手掛けた。さらにブラウン管のカラーテレビの開発にも一役買い、印刷技術を発展させカラー化にかかせない、シャドウマスクという細かい穴が空いた金属板を開発。多方面で存在感を放つ総合印刷会社に銀行出身の北島が入社したのは1995年。経営は順調だったが、注文ありきの受注型の仕事に北島は危機感を募らせていたという。そこで父でもある当時の社長と掲げたのは、自ら新しい製品や、サービスを生み出す第三の創業。社員自ら立ち上げたビジネスで年々事業が拡大しているものがメタバースと呼ばれる仮想空間の事業。自分の分身のアバターで活動しコロナ禍をきっかけに広がった。今このメタバースを取り入れ始めているのが各地の自治体。出向かなければできなかった申請や相談が仮想空間上でできるシステムを導入する自治体が増えている。現在100人ほどいるチームのメンバーは多くは素人同然のスタート。去年の春に3ヶ月にわたり基礎からみっちり特訓した。

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DNPテクノパックチキンラーメン北島義俊大日本印刷桑名市(三重)筑後市(福岡)銀座(東京)
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ひとりの若者の人生を変えた!挑戦の精神が生んだ新ビジネス

キッドさんがメタバースで利用しているのは江戸川区の小中学生向けの空間を利用している。悩みを持つ子ども達のサポートをする。大日本印刷が他社と共同で企画開発し、東京都に採択された。江戸川区では200人ほどが利用している。担当するのが江戸川区教育委員会の職員。毎日誰かが必ず相談にあたる。リアルな顔出しではないので、心おぎなく会話ができる。またチャット機能もあり、文字でのやり取りができ、キッドさんも以前より明るくなったという。

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大日本印刷江戸川区教育委員会
村上龍も衝撃を受けた!「広辞苑」電子化の裏側

村上は印象に残っている話に広辞苑の組版を活版からコンピューターに変えたことだという。当時の広辞苑は、2600ページ、厚さ8センチにも及んだがこの度で外辞書を使いやすいようにと岩波書店や富士通、ソニーとタッグを組んで1987年に広辞苑の電子化を実現。北島はその作業に大変苦労し、一旦やめようかと話もあったという。

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ソニー大日本印刷富士通岩波書店
「待ち」から「攻め」の経営へ 150年企業が挑む大胆改革

また大日本印刷では受注型だったので社員の受け身の意識改革の変化が大変だったという北島。その第三の創業について手応えは?には社員の意識は変わってきたと答え、自分たちの技術をもちよって新しい物を生み出そうとしていると答えた。本社で定期的に開かれる展示会では、膨大な製品やサービスを社内外に知ってもらうために2年前からスタート。営業部門と開発部門を交流させ、ビジネスチャンスを広げる狙いもある。

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大日本印刷
テレ東BIZ、U-NEXT

テレ東BIZ、U-NEXTで配信のお知らせ。

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U-NEXTテレ東BIZ
発泡スチロールが劇的変身!捨てられるモノが“お宝”に

大日本印刷がすすめる廃棄物をアップサイクルする新ビジネス。興味をもったのはマルイ。店内に運ばれたのは再生材で作られた家具。フードコートの一角に設置するという。これらの家具はこのビル内で出た廃材を活用して作っているがテーブルに発泡スチロールで作られている。

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丸井北千住マルイ大日本印刷足立区(東京)
「ジュンク堂」「丸善」傘下に日本の文化を絶やさない!

一方で印刷で培った技術を進化させて日本の未来につなげる事業にも力を入れている。貴重な文化財を高精細な画像処理でデジタルデータを作成するアーカイブ事業。本物に限りなく近い複製を作り、教育の素材にしたりと用途は様々。また大日本印刷はジュンク堂書店、丸善をグループ企業として傘下に。北島は本の文化を守りたいと答えたが最初の70円は出版印刷に携わってきたが、日本だけ出版物の現象が著しいという。

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丸善丸善ジュンク堂書店大日本印刷
番組からのメッセージ 先行き不透明“サバイバル術”

北島義斉は先行き不透明なこの時代のサバイバル術に変化を恐れずに変わっていく必要があると答えた。

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大日本印刷
(エンディング)
編集後記

村上龍は今日の総括に「だいにっぽんいんさつ」と呼ぶ。英語だとDai Nippon Printing Co., Ltd.略称「DNP」となりこの名称で広く知られている。1955年「広辞苑」の印刷で、その力を見せつけた。国語学者・新村出の作業をDNPが支えたのだ。世話にならなかった作家はいないだろう。昔の作家の写真を見ると、原稿用紙の横に分厚い辞書があった。1970年代に活字での組版をコンピューターに切り替え始めた。その変化がITの進歩を生んだ。DNPのあらゆる技術が、その変化に支えられている。とした。

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大日本印刷新村出
次回予告

カンブリア宮殿の次回予告。

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