大相撲の横綱・照ノ富士が現役を引退する意向を固めたことが関係者への取材で分かった。照ノ富士は去年7月の名古屋場所で目標としてきた10回目の優勝を果たしたが、ひざや腰のけがのほか持病の糖尿病の影響で9月の秋場所から2場所連続で休場するなど、去年の6場所のうち15日間出場したのは2場所にとどまっていた。 初場所に向けては、横綱審議委員会の稽古総見や出稽古を行うなどして調整し3場所ぶりに復帰したが、初日に小結の若隆景に敗れ、4日目には前頭2枚目の翔猿に敗れて2敗目を喫するなど本来の力強い相撲が見られず、5日目のきのうから休場していた。関係者によると照ノ富士は横綱として15日間土俵に立てる体の状態ではないと判断し、引退する意向を固めた。照ノ富士はモンゴル出身の33歳。身長1メートル92センチ、体重およそ180キロの体格を生かした力強い相撲で平成27年夏場所で初優勝を果たし、場所後に大関に昇進した。しかし、膝のけがや糖尿病などで休場し大関から陥落すると、その後も休場が続き、一時は序二段まで番付を下げた。それでも師匠の伊勢ヶ浜親方の説得もあって怪我や病気の回復に努めて徐々に番付を戻し、令和3年の夏場所で大関に復帰し、この年の名古屋場所の後、第73代横綱に昇進した。照ノ富士は親方になるために必要な日本国籍を令和3年に取得している。
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