馬淵真理子・大阪公立大学客員准教授の見解。馬淵「企業取材を通じて経営者と話すことは多いが、離職率に関する悩みが多い。大きなものに憧れて入社を決めて、小さなことに幻滅して会社を辞める傾向が強い。就職では会社の知名度や規模、あるいは給与などこういったものが大きい企業を選んで入社を決める方が多いようだが、会社を辞めるときには職場のデスク周りの小さな人間関係、目の前の課題、不満、理不尽さで辞めていくことがほとんど。いい人材に長く働いてもらうにはやはり組織づくりに工夫が必要。社外取締役を務めている会社の議論で、従業員の意識の萎縮が事業の進捗状況の遅れにつながっていることが分かった。目の前のやるべき仕事を管理するToDo志向では、小さな失敗が減点となり人間関係にも影響ができやすく心が萎縮してしまう。そこで設定した目標に対して何をいつまでにやるのか逆算して仕事を決めていく未来に向けたゴール思考にプロセスを変えていくと、各チームに仲良く、時には厳しく頑張る思考回路が浸透していった。社会に出るとあまり自由がなく窮屈に感じることがあるかもしれないが、実はこれまでのどんな場所よりもビジネスはもっと広くさまざまなものにつながっている。広い世界にいる大人こそ自由である必要がある。ビジネスの現場でこれが正解ということはない。ばかな考え方は自由な発想であり、駄目なやつはこれまでにない人材かもしれない。失敗を怖がるよりもチャレンジを続けていってほしい」などと話した。