大阪空港の一角にある整備場でこの日行われていたのは、重整備。日々の点検と違い、フライト回数が基準を越える度に実施する。その中で、今検査作業に欠かせないものになっているのが”りんごの皮むき器”を改造した検査機材。この道具を必要とするのは「エンブラエル170型機」。76人乗りで1日に10フライトすることもあり、日本航空グループでは全部で18機あるがフライト回数は世界的にも例がない4万回に届こうとしていた。そのため、今回の重整備には”特別な検査”を行う必要に迫られた。難題は、胴体と翼をつなぐ”タイボルト”飛行中もっとも負荷がかかり安全の根幹に関わる部品の検査だが、検査の方法は専用の検査棒を手に持ち撫でるようにボルトに当てる、先端からは電波が出ていてわずかでも表面に傷があれば電波が乱れる仕組み。検査が必要なボルトは1機あたり50本、熟練の整備士でも検査には1本30分以上かかる。正確性と効率性を両立しながら検査ができないかと考えた小林さんは、ネットの販売サイトで「りんごの皮むき器」を取り寄せると自ら改造を始めた。先輩たちからもサポートしてもらいながら取り組むこと2か月、オリジナルの道具が完成した。りんごの位置にボルトを、刃物の位置に検査棒をセットしてハンドルを回すとムラなく検査棒がボルトに当たるようになっている。これにより、1本30分以上かかる検査が5分に短縮、従来の手法と比べより性格な検査が可能になった。道具を使い6機の重整備をスムーズに終えることが出来た。
住所: 大阪府豊中市蛍池西町3-555
URL: http://osaka-airport.co.jp/
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