京都医療少年院では去年、6人の少年が出院した。そのうち半分は親元に戻ったが、残りの半分は親の引き受け拒否などの理由からグループホームなどに引き取られた。だが医療少年院の少年は敬遠されるケースが多く、出口支援が思うようにいかないのが現状。そんな中、医療少年院の少年を受け入れている企業が大阪を拠点に障害者支援を行うNINE。もともと飲食業からスタートしたがコロナで店が相次いで閉店したのをきっかけに福祉事業に移行。現在は全国24か所でグループホームを運営するほか障害者向けの作業所をいくつも設け積極的に支援している。おととし、京都医療少年院を出院した19歳の少年。日中は作業所でおもちゃの袋詰めなどをしている。入所は自らの意思で決めた。少年は自閉スペクトラム症の診断を受けていて幼いころから人と関わるのが苦手だった。学校にもほとんど行けず、家でゲームに没頭する生活を続けていたが、高校生のとき、注意してきた家族に危害を加え少年院に収容された。そんな少年を入所以来そばで支えているのが3年目の支援員、山下さん。少年は自分と年の近い人たちがいつも気にかけてくれたおかげで自然に打ち解けるようになった。最近では作業所での頑張りが認められ社内の引っ越しなど支援員たちと一緒に働く機会も増えた。NINEという居場所に出会えたことで少年は着実に更生の道を歩んでいる。