大阪市の医学研究所北野病院などの研究チームは、生まれつき歯が少ない「先天性無歯症」の治療につなげるため歯が生える薬の治験を今年9月から始めると発表した。生まれつき歯が6本以上少ない人は人口の約0.1%いるとされている。歯の成長を抑制する特定のタンパク質の働きを止めることで、マウスなどでは新たな歯が生えることが確認できたという。まずは成人男性に治験を行い、安全性が確認できれば子どもの患者も対象とする。薬の開発は世界初の試みで、2030年の実用化を目指している。将来的には虫歯で歯を失った人への治療にも役立てたいとしている。