大分県で飲食店とゲストハウスを経営している菅恵美子さんは去年11月、特殊詐欺の被害にあい約600万円をだまし取られた。きっかけはスマホにかかってきた国際電話。宿をしていて外国人客も多いのでお客さんかもしれないと思ったという。電話に出ると音声ガイダンスが流れ、携帯電話会社のオペレーターを名乗る男とつながる。事件に巻き込まれている可能性があるとされ、大阪府警に転送される。次に出てきたのは大阪府警の渡辺と名乗る男。投資詐欺の事件であなたが容疑者になっていると言われた。電話番号を確認するとネットで大阪府警の電話番号を検索し、電話をかけ直すので一致したら出るようにと言われた。かかってきた電話番号は頭に国際電話のプラスのマークとともに大阪府警の代表電話が表示された。電話に出るとニセ警察官から守秘義務誓約書が送られてきた。身内にも話してはいけないなどと書かれていた。菅さんが犯行に関わった証拠として現場で押収されたという通帳とキャッシュカードの画像も送られてきた。保釈保証金という制度があり、支払えば逮捕されずに無実を証明できると言われた。菅さんは詐欺かもしれないと思ったが、大阪府警の電話番号からの電話だったため間違いないと思ったという。その後、検事と名乗る女から連絡があり、保釈保証金の入金が確認できない、身柄を拘束する手続きをする、逮捕されたくなければ午後5時までにお金を用意するようにと言われた。再び大阪府警から連絡があり、身柄の拘束は1年に及ぶと伝えられる。菅さんは誰にも相談できず、友人などから借金をして合計600万円を指定された口座に振り混んだ。その後、大阪府警の渡辺と連絡が取れなくなり、大阪府警に連絡し、詐欺被害にあったことを知った。