第三の手記を読む。シヅ子のもとを去ったあとバーのマダムのもとに身を寄せていた葉蔵は、煙草屋の娘ヨシ子を内縁の妻にし、2人で暮らし始める。あるときヨシ子が商人に犯され、葉蔵は睡眠薬で自殺を図る。一命はとりとめたものの酒と薬に溺れ、精神の均衡を失い病院へ収容された。あとがきは、はしがきの男の目線で語られる。男はマダムから葉蔵が3枚の写真と手記を見せられる。マダムも葉蔵の生死についてはわからないといい、「神様みたいないい子でした」と語った。津田は、もっと深い気持ちになるかと思ったら「なんやねんコイツ」となってしまったと話した。斎藤は、解釈のできないところで手記が終わった、そこであとがきがきいてくると話した。大友はなぜバーのマダムに手記を託したかったのかと話した。斎藤は、自分の命が危ういときに駆けつけてくれるが騙し討ちしたメンバーには入っていない、マダムが病院に入れることに反対してくれたと葉蔵が考える可能性はある、マダムが自分のことを理解してくれたと感じたと言われたりする、「私」は狂人と言ってマダムは「神様みたいないい子」と言っている、読者はどっち?と問われている部分があると解説した。