2025年4月25日放送 1:30 - 2:30 テレビ東京

津田篤宏と文学

出演者
津田篤宏(ダイアン) 大友花恋 吉原怜那(ダウ90000) 斎藤理生 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

50人で文学作品を読み切り感想を語り合う

50人が円になって座っている中央に、ダイアン津田が座った。ゲストは大友花恋、吉原怜那、斎藤理生。50人の一般参加者も一緒に太宰治の「人間失格」を読み切り、感想を語り合う。

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人間失格太宰治
(津田篤宏と文学)
50人で文学作品を読み切り感想を語り合う -はしがき-

太宰治の人間失格を読む。文学の円の中では嘘は言わないのが唯一のルール。まずははしがきを読んで考察した。はしがきは、3枚の写真をもとに葉蔵という人物を第三者の私の目線で語られる。物語は写真の彼の人生ではなく、彼を見た他人の印象から始まる。大友は、このあとどういう視点で話が展開するのかに興味を持ったと話した。津田ははしがきとは何かと質問。斎藤は、「前書き」だと前だが「端書き」だと位置づけがわからない、なんとなく頭の隅に入れておくべきものとして置かれていると解説した。

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人間失格太宰治新潮文庫
50人で文学作品を読み切り感想を語り合う -第一の手記- 道化を演じ続ける幼少期

第一の手記を読む。写真の男・葉蔵の目線で自らの幼少期が語られる。裕福な家庭で不自由なく過ごしていたが、自分だけが変わっているような不安と恐怖に襲われ、道化を演じることをおぼえる。その頃葉蔵は、女中や下男から犯されていた。笑われることで守ってきた心の奥に、笑うことでごまかせない何かが沈殿していく。津田は変なヤツ、何でここまでして笑わせたいのかと話した。斎藤は、何もされないために笑わせたいと思っていると解説した。大友は、葉蔵に共感した、学生時代みんなに馴染むためにどうしたらいいか考えていたと話した。第一の手記は、太宰治が人間の視線の中で自分を失う恐怖を性と恥という根本的な形で描き、後に葉蔵がたどる人生の予兆として描かれている。

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人間失格太宰治
50人で文学作品を読み切り感想を語り合う -第二の手記-前半-「ワザ。ワザ」道化を見破られる/共感する葉蔵と同年代/人には見せたくない顔がある

第二の手記を読む。東北の中学校に入学し親戚の家に預けられた葉蔵は、ここでも道化を演じ続ける。体操の授業で鉄棒をワザと失敗してみせたところ、同じクラスの下に見ていた竹一に「ワザ。ワザ」と見透かされたように言われてしまう。焦った葉蔵は竹一に手なづけようとするが、その際に「お前は、きっと、女に惚れられるよ」と予言めいた言葉をかけられる。葉蔵は竹一との親交をきっかけに、絵を描くことに目覚めていく。東京の学校に進学し葉蔵は、絵の塾で出会った堀木正雄から酒・たばこ・女遊び・政治活動を教わり、やがて学校に行かなくなる。津田は竹一に見透かされたのはドキッとした、これだけ書く心理描写に怖くなってきたと話した。文学の円では別の自分の人格を見られたときに死にたくなることはよくあるといった声があがった。吉原はコントをするとき親に見せるのが1番恥ずかしいと話した。

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人間失格太宰治
50人で文学作品を読み切り感想を語り合う -第二の手記-後半- 愛した女 ツネ子の死

第二の手記を読む。葉蔵は複数の女性に思いを寄せられていた。葉蔵は、既婚者のツネ子と一夜限りの関係を持った。ツネ子はそばにいることに心配のいらない存在で、ツネ子の前では道化を演じる気持ちも起こらなかった。堀木は葉蔵の前で強引にキスをしようとして「やめた」「さすがのおれも、こんな貧乏くさい女には」と言い、ツネ子を眺めて苦笑した。その時、。その後、葉蔵はツネ子に恋の心が動き、生まれて初めて人を愛しく思った。人としての営みに疲れた2人は海に入水。ツネ子は死に、葉蔵だけが助かった。津田は、自分自身を見てるような怖さを感じていると話した。吉原は、ツネ子のことを「死にました」とサラッと書いているのはサイコパスなのか、手記だからカッコつけるためなのか情けなさを感じたと話した。大友は悲しくて思い出したくないからこそだと思ったと話した。斎藤は「ツネ子」と書くときと「女」と書くときがあり、使い分けがあるのかもしれないと解説した。

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人間失格
50人で文学作品を読み切り感想を語り合う -第三の手記-前半- ゆっくり死に向かっていく/現代にも通じる”世間と個人”の考え

第三の手記を読む。入水自殺で高校から追放された葉蔵は、父親に頼まれた身元保証人の家に居候するも折り合いが悪く家を出た。堀木のもとで知り合ったシヅ子の家に身を寄せ、漫画を描き始める。絵で金を稼ぎ生活ができるようになったとき、堀木は葉蔵に「女道楽はこのへんでよすんだね。これ以上は、世間が、ゆるさないからな」と忠告をする。やがて葉蔵は、自分がシヅ子と娘を滅茶苦茶にすると考えるようになり、シヅ子のもとを去った。津田は、人間っぽくなってきていると話した。斎藤はトラブルなく順風満帆だが葉蔵は満足できないと解説した。

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人間失格
50人で文学作品を読み切り感想を語り合う -第三の手記- 病院に収容された葉蔵/-あとがき- なぜ手記と写真をマダムに?

第三の手記を読む。シヅ子のもとを去ったあとバーのマダムのもとに身を寄せていた葉蔵は、煙草屋の娘ヨシ子を内縁の妻にし、2人で暮らし始める。あるときヨシ子が商人に犯され、葉蔵は睡眠薬で自殺を図る。一命はとりとめたものの酒と薬に溺れ、精神の均衡を失い病院へ収容された。あとがきは、はしがきの男の目線で語られる。男はマダムから葉蔵が3枚の写真と手記を見せられる。マダムも葉蔵の生死についてはわからないといい、「神様みたいないい子でした」と語った。津田は、もっと深い気持ちになるかと思ったら「なんやねんコイツ」となってしまったと話した。斎藤は、解釈のできないところで手記が終わった、そこであとがきがきいてくると話した。大友はなぜバーのマダムに手記を託したかったのかと話した。斎藤は、自分の命が危ういときに駆けつけてくれるが騙し討ちしたメンバーには入っていない、マダムが病院に入れることに反対してくれたと葉蔵が考える可能性はある、マダムが自分のことを理解してくれたと感じたと言われたりする、「私」は狂人と言ってマダムは「神様みたいないい子」と言っている、読者はどっち?と問われている部分があると解説した。

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人間失格太宰治
50人で文学作品を読み切り感想を語り合う

人間失格を通して太宰が描きたかったことを問われた津田は「すぐキスする」と答えた。

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人間失格太宰治

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