ブラジル式バーベキュー「シュラスコ」は、日本で専門店の数が増え続けている。大手グルメサイトに登録されている専門店が全国に83店舗と、ここ10年で5倍に増加している(「食べログ」2025.6.29時点)。東京・銀座のシュラスコ店は週末、家族連れや常連客で賑わっていた。食べるだけでなく、店員と一緒に踊るなど楽しめるのも人気の理由だという。18世紀、ブラジル南部の遊牧民が労働の合間に仲間と肉を分け合って食べたのが始まりとされている(起源には諸説有)。1991年、太地恒夫さんが日本で初めてシュラスコ専門店を作った。ブラジルで暮らした経験がある太地さんは、日系やアフリカ系、ヨーロッパ系などさまざまな国籍の人たちが一つの肉を分け合い交流する様子に感動したという。老若男女みんなで楽しむシュラスコの文化は日本でも人気が出るのではないかと、太地さんは歌や踊りなどエンターテインメントの要素を取り入れた専門店を開いた。日本で暮らすブラジル人にとっても、シュラスコは仲間との絆を深める場となっている。約3700人のブラジル人が暮らす群馬県太田市では、今月上旬シュラスコパーティーが開かれていた。企画した門間沙織さんはブラジル・アマゾン生まれで、日本人の父親とブルジル人の母親を持つ。親戚が集まった時には、必ずみんなでシュラスコを食べていたという。18歳のときに出稼ぎのため一家で来日し、車の部品工場で働き始めた。言葉の壁などの苦労を仲間と励まし合う場がシュラスコだった。門間さんは自宅にシュラスコ用のガレージを作り、今も毎月のように親戚や友人とパーティーを開いている。この日集まったのは約20人で、日本、ブラジル、中国、アメリカなど国籍は様々。静岡から通い続けている男性は、様々な国の人と話せるのが楽しみだという。門間さんは「国籍、立場を越えて普段知り得ない人たちがつながるところに、シュラスコの魅力がある」などと話した。
