ことしも猛暑が予想されていて、冷房代の負担が気になる。そこで工場などで導入される最新の省エネ技術を取材した。栃木県宇都宮市にあるメーカーの工場では、精密な測定機器を製造しているため温度管理が欠かせず、24時間空調をつけている。エネルギー価格の高騰などにより空調の費用がかさみ、課題となっていた。そこで導入したのが、空調の効率を高めるシステム。工場の屋根の裏に特殊なアルミ取り付けた。このアルミには熱を反射する特性があり、90%以上の熱を遮ることができる。そして屋内にたまった熱も温度が28℃以上になると、通気口が自動で開いて排出する。このシステムの導入から9か月、工場では電気代が20%削減できた。このシステムを開発した遮熱材メーカーは、屋根は太陽の熱が最も当たりやすい場所なので、そこに遮熱材を貼れば効果は大きいと考えた。一方、業務用エアコンの室外機に着目して、空調の効率を高めようという取り組みもある。大手ガス会社のグループ会社は、特殊なシートを貼ったカバーを室外機に取り付けることにした。空気の吸い込み口の近くにカバーをつけると、熱が入りにくくなり熱が放出されやすくなる。夏場の1か月、会社で実験したところ、吸い込む空気の温度が最大3.5℃低下、エアコンを動かすのに必要なガスの消費量を5.9%減らすことができたという。コストダウンに加え省エネができると、二酸化炭素の排出量も減らすことができる。このような暑さを乗り切る省エネ技術もどんどん進化している。