水俣病を巡っては今年に入って宇城市が全世帯に配布したカレンダーで水俣病を感染症とする誤った表現をした他、家庭教師のトライを運営するトライグループのオンライン教材に遺伝するという事実と異なる記述が見つかった。これを受け、水俣病を伝える活動を行っている患者の家族や教師などで作る複数の団体や個人が今後、差別や偏見を防ぐための取り組みを協力して進めていく方針であることが分かった。具体的には企業や自治体などの取り組みで水俣病に関する差別や偏見につながるおそれが生じた場合、企業側と一緒に原因を探って必要な助言をしたり再発防止に向けた提言などを行ったりする。水俣病の被害や歴史などについて学ぶ機会を提供することが狙いで、近くにも「水俣・差別偏見を考える会」を発足させるという。被害や歴史を伝える活動を行ってきた1人で、新たな会の代表を務める予定の吉永理巳子さんは「差別や偏見をなくしていきたい」などと話した。