富士山の噴火については様々な検討会が行われていて、1つ報告書がとりまとめられたというタイミングで、改めてどのようなことが起きるのか見ていく。富士山噴火の降灰予測を紹介。西南西の風が吹いた場合、噴火15日目という想定で広範囲に火山灰が広がっていくのではないかという予測だが、例えば神奈川県相模原市でも30cm。東京は新宿区、富士山から直線距離で約100km離れているにもかかわらず10cm積もるのではないか。これは風の向きによっても、積もり方、積もるエリアが変わっていく様々な想定が出されている。火山灰には様々な特徴がある。雪と同じ様に徐々に積もっていく事で、時間経過によって被害が発生する。また雪と同じで再移動する。風や人の活動で再度巻き上げられる。そして雪と違い溶けないため除去しないと無くならない。このような特徴を踏まえた上で、生活にどんな影響が出るのか多岐にわたる。例えば二輪駆動車の場合、降雨時3cm以上、乾燥時10cm以上で通行不能。鉄道の地上路線は微量でも運行停止。電力は降雨時3ミリ以上で最大40万世帯が停電する。上下水道は降雨時、水質悪化したり機能停止となる。通信は降雨時に障害が発生する。物資は降灰3cm以上で入手困難となる。どこに避難すれば良いのか。報告書によれば、火山灰30cm未満の場合は自宅等で生活を継続する。30cm以上であれば指定避難所へ避難する。関谷教授は「復旧は降灰が少ないところから除去が始まるので、多く降った地域は備蓄がより重要。備蓄は2週間以上あった方が良いのでは」と話す。火山灰特有の準備もある。防塵マスクや、防塵ゴーグル、ほうき、スコップ、シャベルなども必要となる。在宅避難となると、飲食料、簡易トイレ、衛生用品、薬、電池、懐中電灯など災害時の備蓄品も必要。火山灰をどう処理するのか、量の想定として約4.9億立方メートル(東京ドーム400杯分)は東日本大震災廃棄物の10倍で、東日本大震災の時でも処理に3年かかった。関谷教授は「10年以上かかる可能性も。処分方法が決まっていないので、地域連携して早急に決める必要がある」と指摘。