先週木曜日に告示された千葉県知事選挙。立候補したのは現職と新人3人。幅広く政党の県組織から支持を受けて2期目を目指す熊谷氏に共産党が推薦する小倉氏、諸派の黒川氏、立花氏が挑む構図となっている。今回、NHKは各候補が告示日に最初に行った街頭演説の全文からテーマごとの文字数を分析した。そして演説全体の構成をグラフにして候補者が訴えた内容を読み解いた。現職の熊谷氏は冒頭にみずからの政治姿勢に触れたあと、防災やインフラの老朽化対策について実績や公約を訴え続いて防犯、経済、教育など幅広い分野について考えを述べた。具体的な政策テーマのうち最も多く触れたのはインフラの老朽化対策で続いて教育、防犯だった。続いて小倉氏は水道料金を2割程度値上げする県の方針を中止するという公約について演説の冒頭と最後に訴え、合算すると全体の半分以上となった。このほか農業振興や防災にも触れましたがテーマを少なく絞ることで効果的に訴えようという戦略が分かる。そして黒川氏は演説の前半はほかの候補者や政治団体への言及を繰り返した。そして後半には経済振興に関するみずからの考えについて訴えた。最後に立花氏は主に兵庫県政を巡る問題やメディア批判について何度も訴えた。この2つのテーマを合算すると全体の8割近くに上った。改めて4人の候補者のグラフを並べると、幅広い分野についてまんべんなく触れた熊谷氏、水道料金を中心に訴える分野を絞った小倉氏、ほかの候補や政治団体について多くを述べた黒川氏、兵庫県政やメディアへの言及を繰り返した立花氏とそれぞれの主張が浮き彫りになった。各候補が共通で取り上げた政策分野としては熊谷氏と小倉氏がともに防災に触れたのと熊谷氏と黒川氏が経済振興に触れたほかはなくあまり議論がかみ合っていない状況も見て取れる。千葉県知事選挙の投票はきのう告示された千葉市長選挙とともに今月16日に行われ即日開票される。