自民党総裁選挙は立候補の表明が相次いでいる。河野デジタル大臣が会見し「有事を乗り越えるため、経験を活かして日本のリーダーとして、この国を前に進めたい」と決意を語った。週末には石破元幹事長も表明。党員票の動向にも関心が集まっている。河野デジタル相は、これまでに外務大臣や防衛大臣などを歴任。会見では、政治とカネの問題を巡り、収支報告書に不記載があった議員への対応について「不記載になった金額を返還することで、けじめとして前へすすんでいきたい」と言及し、「一番大事なのは総裁選後の人事に派閥を介入させない」と述べた。今後のエネルギー政策を巡っては、かねて将来的な脱原発を主張してきたが、きょうの会見では「最近の電力需要の急速な伸びで、原発を再稼働しても足りなくなる。日本としてできることはなんでもやっていく必要が当面はある」と述べた。おととい総裁選挙に立候補することを表明した自民党・石破元幹事長は「最後の戦いとして原点に戻り、全身全霊で支持を求めていく」と述べた。記者団から政治とカネの問題への対応を問われると、石破元幹事長は「選挙対策委員会で自民党として責任をもって有権者にお願いできるか、厳正に判断されるべき」と述べた。こうした中、処分を受けた議員を次の選挙で公認候補とするかについて、きょう出演した番組で改めて問われると「処分や社会的制裁を受けても、支持がどれだけあり、党や国会、政府でどれだけの実績を積んできたかということも大事で、それは裏金といわれる人たちだけではなく、誰が対象だろうと一緒だ」と述べた。週末からきょうにかけて表明した2人を巡っては、党員票の動向も注目を集めている。河野デジタル相は前回3年前の総裁選挙では、169票で、最も多くの党員票を獲得。一方、石破元幹事長も、自民党が野党だった2012年の総裁選挙では最も多くの党員票を獲得。ただ、それぞれ決選投票では及ばなかった。今回の総裁選挙、河野デジタル相が3回目、石破元幹事長は5回目の挑戦となる。このほかすでに立候補を表明している小林鷹之前経済安全保障大臣は「知名度ゼロからの出発。ただ走り回っていくことに尽きる」と語った。上川外務大臣はきのう、推薦人確保の状況について「20人をはるかに超える支持をいただいている」と述べていたが、きょう記者団から問われると「体当たりで今対応しているところ」と語った。林官房長官は、旧岸田派出身の議員を中心とした約20人と会合を開き、総裁選挙への対応を協議。林官房長官は「総裁選にどう臨むか、意向を固めつつあるところ」と述べた。表明の時期については、台風10号の影響を見極めながら判断する方針。これに加え、小泉進次郎元環境大臣は、今週30日にも立候補表明の記者会見を行う。茂木幹事長は、来週にも表明する方向で調整。自民党・菅前総理大臣は、二階元幹事長と会談し、旧二階派出身の林元経済産業大臣と武田元総務大臣も同席。出席者によると、総裁選挙を巡る動向などについて意見を交わしたという。